過去の記憶が蘇り辛くなる

休職し回復が停滞しているとき、仕事にまつわる過去の記憶が蘇ることを減らすと回復や復職が促進される

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日々カウンセリングをしていると、
日常生活で不意に過去の記憶が蘇り
辛くなっておられる方は、
想像以上に多いと感じます。

大きな心の傷があり、
病院で診断が出るほどではなくても、
よくあることですね。

辛い過去の記憶が、突然鮮明に思い出されたり、
夢の形で出てきて、
とてもイヤな気持ちになってしまうことがあるのです。

生活の中で過去の記憶が蘇る頻度が高いと、
日々の気分が悪化し不安定になります。

例えば休職中、
働いていた時の上司や同僚の言動が、
よみがえる方もおられます。

その場合、復職を阻む障害にもなります。
相手の怒りの表情や、
声の感じまでリアルによみがえり、
今職場にいるかのような辛さが
頻繁によみがえることも多いです。

この過去の記憶の影響で、
職場に戻れなくなってしまうのです。
まさに死活問題ですね。

だからカウンセリングをしていて、
過去の記憶が蘇っている可能性を感じたら、
またクライエントさんに確認します。

もし頻繁に起きていることがわかったら、
具体的な対処法を説明し、
練習してもらいます。

生活の中で過去の記憶が蘇ってきても、
自分で止められるように。

すると練習中に、
深いリラクセーションに入る方が多いです。

それだけカウンセリング中も、
意識はされていない、
小さな過去の記憶の蘇りによる、
カリカリやイライラが起きていたのでしょうね。

それらが練習中に解消されることで、
とてもラクな気分になっていく。
ただこのテクニックで過去の記憶を
クリアにしても、
それで終わりではありません。

蘇る可能性のある
過去の出来事はたくさんあるからです。

実際、いろんな時期のいろんな場面が
出てきます。

その度に不安になったり、
怒りに圧倒されたりします。
テクニックを使ったときに解消できるのは、
その瞬間蘇っている過去の場面だけです。
今蘇っていない
辛い過去が他にもたくさんあるのです。

それらをカウンセリング自体で
全て扱うことはできません。
もし扱おうとするならば、
毎日のように
カウンセリングを受けていただくことに
なってしまいます。

それは費用的にも
労力的にも無理なこと。
クライエントさんにやり方を身につけていただき、
生活の中でも、
対処していただくのが現実的です。

そして次のカウンセリングで、
そのフォローアップを行うイメージです。

この進め方で取り組むと、
過去の記憶が蘇ることは、
てきめんに減ることが多いですね。

もし過去の記憶が蘇ることだけが問題であれば、
個人差はありますが
2〜3回のセッションで、
すっかり解消することも多いです。

復職の障害となり
恐怖が抜けないままだったのが、
急に前向きになり
状況が進むことも多いですね。

復帰に関してのやりとりが、
会社との間で活発になり、
時期が明確になったりします。

ただカウンセリングで、
この手順をただ説明するだけで、
このような結果が得られるわけではありません。

そこまで単純では、
ありません。

いくつかポイントが
あります。

まずは信頼関係がある程度、
できていること。

まだ信頼関係がなく、
クライエントさんが不安なまま進めても、
いい成果は得られません。

信頼関係を確立するには、
クライエントさんに安全感、安心感を
感じていただく必要があります。

最初の段階で話の内容をよく理解し、
的確に伝え返すことが役立ちます。

クライエントさんのなかには
気持ちに余裕がなく、
断片的にしか話せない方もいらっしゃいます。

そんなときは、
カウンセラーに察する能力が求められます。

その読みが的確であればあるほど、
わかってもらえた感が出てきて、
当然、信頼感も深まります。

このように信頼を深めるためには、
カウンセリングの
基本がしっかりしている必要があります。

加えてこの手順を行うことの
メリットをシンプルにわかりやすく
伝えることですね。

私の場合は、自らの経験もありますし、
クライエントさんの反応を
数多く見ているので、
自信を持って説明できます。

それがクライエントさんの納得感につながり、
積極的に、
日々行なっていただけることが多いです。

またクライエントさんに、
この手順を紙で渡すだけでは
伝わりません。

カウンセリング中に一緒に練習し、
まずは手応えを感じていただく。
そして過去の記憶が蘇るたびに、
日常生活で解消するという、
モチベーションを持っていただく必要があるのです。

カウンセリングでここまで持っていければ、
過去の記憶が蘇ることは、
短期間で解消することが多いですね。

もしこのようなカウンセリングを見学したとしても、
進め方として特筆するようなことは、
何もないと感じるかもしれません。

普通に話を聞き、
信頼関係を深めていく。

そして過去の記憶の辛さを解消する手順を
シンプルに解説し、
一緒に体感していただく。

蘇ってきたら
その都度対処することの大切さもお伝えし、
次回のカウンセリングの日時を決める。

シンプルです。

こういったカウンセリングで、
クライエントさんはどんどんラクになり、
苦痛から解放されていく。

今までやれなかったことが、
できるようになるので、
自主性も出てくる。

生きていくことの手応えが強まり、
前向きになっていく。

そんなサポートを
日々行なっています。

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