こんにちは、心理カウンセラーの高牟禮(たかむれ)です。
自分がわからない、
という悩みはカウンセリングの現場でも、
頻繁に耳にします。
この一見、とらえどころのないテーマは、
メンタル負担がかかり、
苦しくなるものです。
この状態が続くとイライラしたり、
むしゃくしゃしてきて、
極端な言動になることも。
自分が生きている、
という実感を持ちたいからです。
しかし一時的に辛さが薄れるだけで、
またボディブローのように
戻ってきて抜け出せないという
パターンに陥りがち。
そこで今回は、
自分がわからなくなる原因と、
対処法について
詳しく解説します。
Contents
心の内側を見つめるだけだと、ますます自分がわからなくなる
「自分が分からない」という悩みで、
カウンセリングにお越しになる方は、
「心の内側を見つめていきたい」
とおっしゃる方も多いです
確かにそれは大切な要素の
一つではあります。
ただ自分を見つめる、一辺倒だと
逆にますます自分が分からなくなり
迷走することが多い気がします
自分を見つめることは
最初にあるのはいいと思います。
その次のステップとして
自分の感じたこと、思ったことを
誰か、あるいは何かに対して
表現していけるといいですね。
そこで何か動き始め、
力も出てくるし
「自分」という実感も出てきます。
例えば音楽を作ることが
趣味だったとします。
パソコンで作曲をして
そのデータをパソコンの中に
ずっと眠らせておいて
誰にも聞かせないままだと
だんだん萎えてしまうものです。
自分の内側が枯れてきて
自分が分からない
何をしたいかもわからない
となりがち。
でも例えば、作った曲を
どこかの楽曲のサイトに登録するとか
Youtube動画としてあげるといった形で
周りの人に見てもらったり
聞いてもらえるようにすると
何らかの反応があります。
そして何か、触発されるものがあると
インスピレーションが湧いてきて
表現したいことが出てきたりします。
こういった外からの
刺激にインスパイアされ
自分の内側から
外に出していくという
相互作用が起きてくるのです。
自分が何をしたいか。
どういう方向性で行きたいか。
これらがはっきりしてくるし
力も湧いてくるようになる。
内側一辺倒で
完全に固定した状態っていうのは
その流れが止まってしまいます。
逆に、心の内側を全然見ることなく
外の評判とか
評価だけを気にしてやろうとすると
これはまた心の内側が枯れてきて
わからなくなってしまいます。
大切なのは
心の内側を見ることと
外に表現すること。
その刺激で
インスパイアされたものを
内側に持ち込む
それをまた表現する。
こういった循環を作っていくことが
音楽に限らず
全ての分野において大切と思います。
何かをやっていく上で
自分がわからない
という状態から抜け出すために
とても不可欠なことと思います。
自分の気持ちがわからないときの対処法
ただそもそも自分が何を感じてるか
把握するのが苦手
という方もいらっしゃいます。
そんな方にお勧めなのは
1日の終わりに
自分の気持ちが大きく動いた時
プラスの感情だったり
マイナスの感情だったり
動いた時のことを思い返して
記録を取っていくことです。
例えば、ある瞬間とても楽しかったとか
嬉しかったとか
妙に焦ったとか
ちょっと凹んだとか
1つでも2つでもいいので
振り返って記録を取っていくのです。
するとだんだん、そうか
こういう時に自分は
こんな気持ちになりやすい、という
自分のパターンが分かってきます。
これ自体
「自分がわかる」ということの
第一歩です。
さらに良くなってくると
リアルタイムに
何らかの出来事があったとき
自分の気持ちを俯瞰して
わかるようになることが
増えてきます。
こうなると
自分の中の感受性が
動いてきます。
次のステップである
自分が感じたことを
何らかの形で表現する
という段階に入っていけます。
最初はちょっと
億劫に感じるかもしれません
こういったことを習慣として
少しやっていただくといいと思います。
一日目よりは二日目
二日目よりは三日目という形で
徐々に、自分の感じていることを
とらえていく感覚が
つかめてきます。
気持ちの細かなニュアンスをキャッチすると直感や、クリエイティビティに開かれていく
ここでは、自分の気持ちを
より細かいニュアンスで捉えていく
方法について説明します。
自分の気持ちについて
大雑把なところから
より細やかなところまで
捉えることができると
「自分がわからない」という
しんどさが小さくなっていきます。
さらには生きている実感とか
あるいは直感
クリエイティビティといったものに
開かれてくるのです。
例えば「嬉しい」という
気持ちがあることが
なんとなくわかったとします。
ただ、この「嬉しい」という一言で
自分の思いが
全て言い表されているとは限りません。
多くの場合これは
荒っぽいのではないか
と思います。
嬉しいは嬉しいだけど
もう少し違うニュアンスも
あるんだけどな~
といったところを
探っていくのです。
いきなり正確なニュアンスを
言葉にすることは難しいです。
ある意味場当たり的に
いろんな言葉を言ってみて
その言葉が自分の感覚に
ぴったりくるかどうかを
調べてみましょう。
例えば、「超嬉しい」という言葉を
仮に言ったとします。
それを自分の感覚と比べてみると
「超嬉しい」というほどでもないと
違和感が出てくるかもしれません。
あるいさ
「そうそうそんな感じ」
となるかもしれません。
違和感がある場合は、
「超嬉しい」でなければ何だろう
と探っていきます。
時には
「嬉しいは嬉しいけどちょっと複雑」
という表現の方が
「そうそう、自分の実感にぴったり」
と感じることもあるでしょう。
面白いことに
すぐに分からいことも多いのです。
漠然と嬉しいという気持ちは
わかったとしても
細かいニュアンスまで
わかっていくには
少し時間が必要だったりします。
今説明してるような
言葉にして確かめてみる。
自分の内面との自問自答を
繰り返していかないと
見えてこないことも結構多いです。
クリエイティブな仕事をされている方は
大抵このような自問自答に
ものすごいエネルギーを
使っておられます。
そこまで行かなかったとしても
まずは単に「嬉しい」ではなく
どういうニュアンスの嬉しさか。
その雰囲気まで言葉し、
自分にとってしっくりくるならば
「自分が分からない」という
感覚が小さくなっていきます。
そして自分の内面と
つながっている感じも出てきます。
するとさらには直感や
クリエイティビティにも
開かれていくことになるでしょう。
内面と向き合うときは、ほどほどに
ただ内面と向き合うと、
いつも肯定的なものが
出てくるわけではありません。
自分自身にとって
マイナスの感情が
大量に出てくることもあります。
その多くは過去にまつわる
未完了の思いが残っていて
吹き出てくることがあるのです。
もし持ちこたえることができるなら。
ほどほどの不快感の範疇で
向き合えるなら。
心のバランスが自然に整い
より良い状態になっていくという
癒しの体験になり得ます。
ただそれは時として
自分自身にとって
耐え難いほどの
苦痛になることもあります。
そんな時は
無理をしない方がいいです。
程々のところで留めるのがお勧め。
食べ物に例えるなら
腹八分目。
あるいは六分目ぐらいで
留めておくのがいいです。
もし思いつめ
「内面と向き合いさえすれば良い方向にいく」と
無理をすると
メンタルのコンディションを
崩すことすらあります。
無理をせずやっていくのが、
いいと思います。
できれば
ほどほどで留める。
時には内面より外側に意識を向ける
といった切り替えも
大切になってきます。
苦痛に対して程よい距離感を保ち
無理のない負担感で
向き合えるなら
それはとても良いこと。
もし内面に向き合う際、
苦痛が大きくて一人では手に余る時は
心の専門家であるカウンセラーのサポートを受けながら
心の整理を進める必要性が、
出てくる場合もあるかと思います。
「自分がわからない」を解消する原則
自分の内面と向き合い、
気づいたことを外に表現する。
これをインサイドアウト。
そして自分が表現したことで、
周りから得られた反応を、
自分の内面に取り込む。
これはアウトサイドインですね。
この両方を循環させ、
動き続けることが大切ですね。
このバランスが崩れると停滞し始め、
自分がわからなくなっていく。
そんなときは、
どちらに偏っているかに気づき、
修正していけるといいですね。
すると内面を外側に向けて表現し、
その反応を内面に取り込むというサイクルが
再び回り始めます。
停滞すると自分がわからなくなり、
循環すると充実していく
という原則があるのです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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