学習性無力感

学習性無力感のせいか、仕事も恋愛も意欲がわかないのを改善する

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「学習性無力感のせいか、仕事も恋愛も意欲がわかないのを改善する」上のプレーヤーで聞くこともできます。
よろしければ音声を聞きながら、最後まで記事を読んでみてください。

 

こんにちは、心理カウンセラーの高牟禮(たかむれ)です。

私たちは誰でも、
「何をやっても無駄だ」という思いに
陥ることがあります。
そんなときは絶望的な
気分になってしまいますよね。

でもしばらくすると
気分も変わり
「何とかなりそう」と
思えてくる。
絶望と悲観から楽観的に
変わっていけるものです。

ただ何をやってもうまくいかない、
という経験が多すぎると、
「何をやってもだめ」と
学習してしまうんですね。

そうなると、
本当は簡単に抜け出せることでも、
最初から諦めてしまうように
なるのです。

当然、うまくいきませんよね。
このようなあきらめを、
学習性無力感と呼びます。
この無力感から
どうすれば抜け出せるのかの
ヒントをお伝えします。

慢性的な無力感を和らげる、シンプルテクニック

長年の積み重ねで出来上がった無力感を
いきなり前向きなものにすることは
できません。
無理にモチベーションを上げようとしたり、
行動に移そうとしても、
とても苦しくなるだけです。

無力感があるときは、
それ自体をいきなり
どうこうしようとしない方がいいです 。

かと言って、
ただ眺めているだけでは
無力感に呑まれるだけ。

そんなときにオススメなのは、
この無力感、絶望感を
弱める言葉を付け加えること。

例えば、「本当にどうしようもない」と
自分が思っていることに
気づいたとします。

その後に、「今のところは」
という言葉を加えるのです。

この言葉は、
無力感、絶望感を否定していません。
だから負担がかからず、
受け入れやすいのです。

しかし、同時に今の状態が、
続くとは限らない。

変わる可能性もある、
ということを暗に示しています。

だからこういった言葉を言うだけで、
少し無力感が和らぐのです。

もちろん楽観的には
程遠い状態です。
でもこのくらいの方が、
負担も小さく受け入れやすいのです。
こういったプチ変化から
始めるのがお勧めです。

小さな変化を承認できると無力感が解消する

子どもの頃から「うまくいかない」と
感じる経験が多いと、
小さな変化を過小評価してしまいがち。

今の状態がとても苦しいので、
良くなることを諦めている一方で、
「良くなった」と思うには
完璧でなければいけなかったりします。

この完璧主義と諦めが、
セットになっていることが
多いですね。

すると完璧に何かができれば、
「良くなった」と思えるけれど、
そもそも、もうダメだと諦めているので、
完璧なんて夢のまた夢。
モチベーションが
湧くはずもありません。

完璧主義は、
モチベーションをくじく、
原因になっているのです。

そして少し成果が出たとしても、
意味がないと思ってしまう。
そんなことは、
やってもしょうがないと思え、
モチベーションが続かないのです。

この無力感と完璧主義のセットがある限り、
行動の意欲が湧くことはまずないし、
何か行動し、成果が上がったとしても
「ダメだった」と思うことしかできない、
というがんじがらめの状態に
陥っているのです。

この行き詰まりを抜けるポイントは、
良くなるための
なんらかの行動ができること。
成果は問いません。
行動すること自体が、
成果と言ってもいいでしょうね。

このステップに進むときも、
「今のところは、行動する気すら起きない」と
自分に言ってあげるのです。

いずれは行動することを
暗に含んだ言葉を言っていくことで、
徐々にそんな雰囲気になっていくのです。

ただ行動できたとしても、
「こんなことに何の意味もない」と
過小評価し、
その成果を無視しがちです。

ここも同じです。

「今のところ行動したことを評価できない」と
自分に言ってあげるのです。

すると次第に、
行動したこと自体を評価できるように
なっていくことでしょう。

これは小さなステップに
思えるかもしれません。
しかし実際は、
とても大きなステップです。

現状に対し何らかの行動を起こし、
成果の有無にかかわらず、
それを評価出来ると、
それは無力感を和らいでいくのです。
自己効力感が出てくるからです。

これは無力感を学習するに至った過程と
逆のことをやっているんですね。
大切なのはスモールステップで
ゆっくりやっていくこと。

変化がゆっくりでも大丈夫

「こんなことではいつまでたっても変わらない」
という思いが出てくるかもしれません。
それは大丈夫です。

なぜなら最初のポイントは、
無力感ゆえに動けない、
という悪循環を断ち切ることだからです。

動けるようになるかどうかが、
勝負所といってもいいでしょう。

少しでも動けて、
それを認めることができれば、
無力感が緩和され、
次はより動きやすくなります。

そしてさらに動けて、
それを認めていくと
ますます無力感が緩和される。

この好循環の輪を
少しずつ大きくしていくイメージです。
だから行動は、
最初は極めて小さいもので
ある必要があります。

やがて徐々にスピードアップ。
そして加速がついてくるのです。
行動力が小さなものであっても、
もし加速がつき始めた段階であれば、
かなりいいところまで
行っていると言えるでしょう。
さらに変化が加速していく可能性が
高いからです。

変化し始めたら、一喜一憂しないことが大切

とは言え、
感覚的にはとんとん拍子、
というわけにはいかないかもしれません。

変化の進み方を
上りのエスカレーターのように
思っている方が多いですが、
実際は異なります。

アップダウンを繰り返しながら
全体が底上げされていく感じです。
これを知っておくことは大切です。

なぜならば、上りのエスカレーターのイメージだと
少し停滞したり後退すると、
無力感、絶望感がぶり返すからです。

すると少し芽が出てきた自己効力感が
吹っ飛んでしまうこともあるのです。
そうなると、また無力感が増幅していく
悪循環に逆戻りです。

このような事態を避けるには、
「アップダウンを繰り返しながら底上げされていく」
という回復イメージを保つことが大切です。

コントロールできることにのみ焦点を当てると自己効力感がさらに高まる

また仕事にしても恋愛にしても、
自分が100%コントロール
できるものではありません。

しかし、行動が増えてくると、
理屈ではわかっても、
欲が出てくるのです。
行動したことが、
すべていい結果につながらないと、
それが落胆につながりやすいんですね。

でも例えば恋愛であれば相手の状況が
それどころではなかったり
好みが合わないことも
ありますよね。

自分の価値とは関係なく、
うまくいかないことだって
いくらでもあります。

仕事も同じです。
難度が低く一人で完結できるものであれば
いいのですが、
難度が高く他の要素も絡んでいる場合、
何をどうやっても
うまくいかないこともよくあるのです。

だから結果が出るかどうかだけに焦点を当てるのは、
避けた方がいいでしょうね。
自分の能力の問題ではないのに、
「自分はダメだ」と思いはじめ、
無力感がぶり返すこともあるのです。

自分のコントロール内のこと、
コントロール外のことを
しっかり区別することはとても大切です。

無力感を乗り越え行動したなら、
まずはそのことを認めましょう。
結果はどうあれ
「よくやっている」
といったねぎらいもあるといいでしょうね。

そして自分ができる範囲のことで、
試行錯誤をしていきましょう。
承認やねぎらいは、
結果が伴わなくても行動を続ける
エネルギー源になるからです。

それはうまくいく確率と
自己効力感を高めてくれるでしょう。

 

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