人前 緊張 話せなくなる 汗

人前で緊張し話せなくなる原因であるネガティブな思い込みを解消し克服

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こんにちは、心理カウンセラーの高牟禮(たかむれ)です。

以前、あがり症をラクにする切り口として、
悪循環を断ち切るアプローチについて
詳しく書きました。

https://www.takamure.com/archives/158.html

このアプローチだけで
かなりラクになる人は、
何割かはいらっしゃいます。

しかし全てではありません。

別の要素も関係していることも
あるのです。
それは自分の「思い込み」ですね。

思い込みがあると、
自分で自分に大きなプレッシャーを
かけてしまうのです。

例えば、

「失敗したら自分の評価が地に落ちる」

「うまく言えなかったら笑われる」

といった思い込みがあるからです。

このようなプレッシャーが自分にかかると、
不安や焦りも強くなり、
本来の実力を発揮することが
難しくなってしまうのです。

頭が真っ白になって、
自分でも何を言っているのかわからなく
なってしまったり。

身体中が緊張し、
「緊張しているのが相手にわかってしまう」
とさらにプレッシャーをかけ、
ますます緊張してしまったり。

でも本当は、
こういった思い込みは、
誇張されていることが多いですね。

本人からすると
致命的な失態をおかしたと思っていても、
周りの人はほとんど気づいてもいないことが
とても多いのです。

他の人に聞いてみても
「そう言えば少し緊張気味だったかもね」
くらいにしか思っていなくて、
拍子抜けすることもあるくらいです。

このような自分を追い込んでしまう思い込みが、
人前で緊張し話せなくなる
大きな原因であることは確かです。

これらの思い込みの根っこには、
中核信念と呼ばれるものがあります。

自分に対しての
否定的な信念です。

この中核信念は、
能力にまつわるものと、
愛情にまつわるものがあると
言われています。

心の奥底で

「私は無力だ」

「私は嫌われている」

といった感覚を根拠なく
常に持っているのです。

これはちょっとした思い込みとは異なり、
非常に根深いものと言えます。

だから人前で話す前に
「ちゃんと話せるから大丈夫だよ」
「みんな好意的に聞いてくれるよ」などと、
励まされても、
拒否反応が出るだけだったりします。

自分で自分を否定的に見ているので
肯定的な言葉が
心の中に入っていかないんですね。

この自己否定は
静観していてもあまり変わらない
ことが多いです。

むしろ自己否定による
プレッシャーであがり症が続き、
自己否定が強化されてしまうことも
多いのです。

このネガティブな思い込みを解消するには
心の深い部分に
アプローチする必要があります。

その扉は感情です。

例えば、人前で話すとき、
どんな気持ちになるかですね。

職場で自分の気持ちを調べるのは、
難しいでしょうから、
自宅で落ちついているときに
人前で話す時の状況を思い出してみましょう。

すると多くは、
焦り、不安、恐れ、恥ずかしい
といった感情を感じることでしょう。

これらの感情が出てくると、
普通は感じたくありません。
自分で自分の感情を嫌い、
もみ消してしまいがち。

日常生活では、
そうせざるを得ないことも
理解できます。

ただ自分の中にある
根深い思い込みの大元につながるには、
自分の感情に対し興味を持ち、
じっくり深めていくことが必要です。

すると多くは、
子どもの頃のネガティブな感覚が
甦ってきます。

当時の出来事が
リアルに思い出されることも、
多いです。

こういった記憶は、
自分の思い込みの表現そのものです。

ただこれらの記憶を
理屈で修正することはできません。
理屈だけで関わると
心の奥底で深い落胆が起きます。

「またわかってくれなかった」と。

それは当時の体験そのもの。
それでは傷に塩を塗ることに
なってしまいます。

その逆を行うことが、
大切です。

それは思い込みどうこうではなく、
心の奥底にある、
とても辛い状態を
知ることです。

辛さ自体は、
存在することを
わかってもらうだけで、
グンとラクになるものです。

一番きついのは、
辛さがあることを
誰も気づいてくれないとき。

孤立し、
立ちすくんでいます。
そして傷つきを深めてしまいます。

ここをリカバリーしていくことが、
大切なのです。

そのための一歩は、
自分の心の奥底にある辛さに
気づくこと。
そして気づいていることを、
辛さ自体に伝えること。

それだけで心の奥底にある、
孤立し見捨てられた感覚、
傷つきが和らいできます。

そして何がそんなに辛いのか。

その理由もわかってくると、
さらにグンとラクになってきます。

ただあがり症の場合は、
みっともない自分を知られたくない。
隠しておきたいという
恥の感覚も強くあることが多いですね。

だからとてもデリケートで、
「辛さをわかってもらいたい」思いと
「それを知られるのは屈辱」という思いが
せめぎ合っているのです。

助けを求めつつ助けを拒む、
という状態。
自分でもどうしてもらいたいかわからず、
混乱しているのです。

だから、いきなり手厚い関わりが、
うまくいくわけではありません。
だかといって、
放置するのも辛さが続くだけ。

どのような関わりが適度なのか、
そのときどきで
変わってくるんですね。

注意深さを保ちつつ
関わりの度合いを調整し、
根気よく関わる。

このようなアプローチを続けていくと、
根深い否定的な信念であっても、
変容していくのです。

このような癒しに加え、
「心の強さ」を育てることも
大切ですね。

なぜならば、他人が存在するだけで、
その刺激に耐えられないという
過敏さを持っていることが多いからです。

他人がいてもしっかりと守られる、
過敏さを覆う
心の保護膜を育てていく必要があるのです。

これは理解されないことにまつわる
傷つきとは
ことなるテーマです。

「癒し」と「守り」の
両方が大事なんですね。

この二つの要素をサポートすると、
あがり症に対しての手応えが、
グンと出てきます。

私が人前で緊張し話せなくなる方にカウンセリングを行う場合、
3通りの進め方があります。

最初に思い込みを解消するための癒しを行ってから、
守りのサポート。

最初に守りのサポートを行ってから、
癒しのアプローチ。

癒しと守りを
同時にサポート。

クライエントさんの状態にもよりますが、
同時に行うことも多いですね。

この守りをサポートするアプローチは、
心と身体を活用します。

両方を使うほうが、
守られ感の確保は容易になるのです。

私たちは怖くなったら
緊張しますよね。
それは自分を守ろうとする
本能的な身体の働きです。

ただあがり症の人は、
緊張すると
「みっともない」「恥ずかしい」
と思いがちです。

緊張を単にやっかいなものと
思ってしまうんですね。

でも本来身体を固くすることは、
守られ感を強め、
安心感を取り戻すのに役立つものです。

この働きを有効活用し、
最終的に緊張しなくても、
心の守られ感を維持できるように
育てていく。

そんなアプローチがあるのです。

昨年発売した拙著の中で、
その手順を紹介しています。

暴れるほどの激しい感情への
対処法として。

それは感情自体を解消しようとするのではなく、
感情に持ちこたえられる
心の強さを取り戻す方法です。

人前で激しい感情が暴走すると、
本来のパフォーマンスが発揮できません。

強い感情があっても守られることで
持ちこたえることができるようになる手順です。
これは助けになるんですね。

日々カウンセリングの現場で重宝していますし、
クライエントさんにも、
ご自身でできるようお伝えしています。

 

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