孤独感

ひとりぼっちの辛さは「ひとりでいられる能力」を高めることで解消し、いい人間関係も持てるようになる

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「ひとりぼっちの辛さは『ひとりでいられる能力』を高めることで解消し、いい人間関係も持てるようになる」上のプレーヤーで聞くこともできます。
よろしければ音声を聞きながら、最後まで記事を読んでみてください。

こんにちは、心理カウンセラーの高牟禮(たかむれ)です。

日々カウンセリングで、
お話を伺っていますと、
「ひとりぼっちで辛いです」という
訴えがかなりあります。
でもアドバイスとして、
人との接触を増やすようにお伝えしたとしても、
行動できる人は少ないですね。

孤独感、寂しさを感じていると
自分からアクションすることが、
難しく感じられるからです。
一方、頻繁に人と会っているし、
友人も多いはずなのに、
強い孤独感を感じる方も、
以外に多いのです。

つまり「ひとりぼっちで辛い」という感覚は、
共通していても、
その背景は様々です。

この記事では、
なぜそのようなことが起きるのかや、
具体的な対処法をお伝えしていきます。

ひとりぼっちはいけないこと?

ひとりぼっちが辛いとおっしゃる方の多くは、
「後ろめたさ」を感じておられるようです。
つまり「ひとりぼっちは情けない」
的な感覚ですね。

一方「群れている」という
言葉もあります。
これはこれで人と一緒にいるけれど、
良い意味では使われませんよね。

つまりひとりであっても、
誰かといても、
それ自体に良い悪いはないのです。

ひとりでいても、誰かといても、
自分にとって意味あるものであれば、
それでいいのです。

無理に人とつながろうとしなくていい

ひとりぼっち、という感覚は周りの状況と
関係なく続くことがあります。
孤独感を感じつつ
人間関係のストレスも
同時にあったりするのです。

それは、周りの人に気を使っているときですね。
機嫌が悪くならないように、とか。
期待に応えるように、とか。

自分のことは後回しで、
周りの人のためだけにエネルギーを注ぐ。
この状態が続くと、いつまでたっても心は満たされず、
空虚なままになってしまいます。

当然、ひとりぼっち、という感覚も
消えないでしょうね。
もしこの状態に陥っているならば、
無理に人に会おうとしないことが助けになります。

そして、このようなアドバイスをすると
「ホッとしました」とおっしゃる方が多いです。
それだけ「ひとりぼっちは良くない」という、
一般常識がプレッシャーになっているのでしょうね。

孤独と孤立は違う

もし人と会う機会を減らし
ひとりでいる時間を増やしたら、
孤独感をより感じるかもしれません。

でも無理に人に会い、相手に合わせているだけならば、
一時的に紛れているだけで、
孤独感自体は何も変わりません。

もし人と会うことが孤独感の、
根本的に解決にならないなら、
無理に人と関わることはないのです。

ただ孤立は避けたほうがいいでしょうね。
誰ともつながらず、
普通の会話すらないならば孤立状態と言えます。
やはり最低限のつながりは
あった方がいいでしょうね。

例えば仕事は、
孤立を避ける助けになります。
孤独を和らげるほどの
気持ちのつながりはないけれど、
仕事上のやり取りは最低限行う。
これだけでも、孤立状態は解消されます。
もし仕事をするのが難しいならば、
それ以外のつながりを持てると良いですね。

その際の、ポイントは、
あまり大きな期待をしないことです。
気持ちをわかってもらえ、
孤独感が癒えるといった。
期待が大きすぎると、
「人と会ってもムダ」という思いが強くなり、
動く気力が萎えてしまいます。

「最低限のやり取りができれば、それでOK」
といった繋がりでも孤立は解消します。
家族にときどき連絡してもいいでしょうし、
縛りの少ない人の集まりに
出かけても良いでしょうね。
孤独感を感じつつも、
孤立はしていない形がお勧めです。

ひとりでいられる能力を高めるには

ひとりぼっちのジレンマ

孤立しない程度に人と関わってはいても、
孤独感、ひとりぼっち感が強いままだと辛いです。
でも人と深く繋がろうとすると、
嫌われることに対する不安も強くなり、
無理に合わせてしまいがち。

見かけ上、人間関係がうまくいっていても、
「このまま演じ続けなければ、維持できない関係でしかない」、
と感じてしまうなら、ひとりぼっち感は
むしろ強くなってしまうのです。
このジレンマを抜け出すには、
ひとりでいられる能力を高めることです。

「ひとりでいられる能力」は心の成熟を意味する

この「ひとりでいられる能力」という概念は、
精神分析家ウィニコットが提唱しました。
乳幼児の成長、心の発達を研究していく中で、
この能力が大人になっていく上で、
大切な要素だということを発見したのです。

生まれたばかりの赤ちゃんは、
文字通り母子密着です。
何から何まで世話をしてもらうことが、
必要な段階です。

でも徐々に自分が芽生え始め、
母子密着でなくても、
大丈夫になっていくのです。
例えばお母さんの近くにいて、
一人遊びができるように
なってきます。
自主性の始まりですね。

楽しむことに、
必ずも母を必要としない。
自分で自分を楽しませるやり方を
見つけることが
できるようになっていくのです。

これはわがままでも何でもなく、
紛れもない成長の証です。
自分で考え、
自分で行動することの
始まりだからです。

「ひとりでいられる能力」が育たないまま大人になると、母親の代わりになるものにしがみつくようになる

この能力がうまく育たず、
そのまま大人になってしまうと、
自分にとって頼りになる存在から、
離れることを極端に
恐れるようになります。
分離不安と
呼ばれています。

大人になって、
文字通り母親にべったりでないと
耐えられないという人は
少ないでしょう。
しかし、母親の代わりに自分を安心させてくれるものに
しがみついている人は、
少なくありません。

大人になると、
この母親の代わりを持っている人は、
たくさんいます。
友人、会社、組織でのポジションなど。
これらは大切な
ものではあります。

しかし、これらを失うことに、
猛烈な不安を感じるとしたら、
単なる喪失感ではありません。
生まれたばかりの赤ちゃんが、
無理やり母親から引き離されるときに味わう、
分離不安そのものです。

だからこそ、何としても失うまいと、
あるいはこのつながりを確固たるものにしようと、
強く執着するのです。

しかしそれは心の奥底に、
見捨てられる不安が続くことになります。
人との繋がりが維持できていても、
すごく気を使い疲弊するし、
孤独感も消えないままということは、
先程も、述べた通りです。

また人との別れやリストラが、
想像以上の心理的ダメージになることがあるのも
この分離不安が関係していることが多いです。
大人になってからも、
自分ひとりでは楽しめず、
人と会うことや、会社でのポジションばかり
こだわっているとしたら、
ある種の未熟性が残っている可能性があります。

自分で自分を楽しませることを大切にする

自分の中にある、
人や立場に安心を求めすぎるという、
ある種の未熟性を解消するには、
自分で自分を楽しませることです。
今の日本の風潮では、
このような自己完結状態を
あまりよく思わないことが多いです。
オタクとか、
ひきこもりの代名詞のような印象を
持ってしまうかもしれません。
でも自分で自分を楽しませることができず、
それを人に求めても、
ひとりぼっち感は解消されません。
母親代わりとなる対象を失うことの不安で、
いっぱいになってしまうだけです。

この状態から抜け出すためのステップとして、
「大人の一人遊び」は不可欠です。
これは心の成熟を促す
大切な取り組みです。

心が成熟すると人間関係も変わってくる

「大人の一人遊び」で、
ひとりでいる能力が高まってくると、
母親代わりになるものに、
過度に執着しなくなってきます。

すると人といるときの
ストレスも減ります。
この関係を失ったら、
何もかも終わりという
感覚がなくなるからです。
この段階では、
ひとりぼっち感も解消されています。

自分をしっかり持っている状態で
今までにない良質の人間関係が生まれやすいです。
無理をして相手の合わせないし、
余裕もあるからです。
「ひとりでいる能力」を高めると、
孤独感は減り、
実際の人間関係も豊かになるのです。

 

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