こだわりが強い 疲れる

強いこだわりのためドアの鍵、ガス栓、電気のスイッチを不安で何度も確認するクセを克服する

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音声を聞きながら、最後まで記事を読んでみてください。

こんにちは、心理カウンセラーの高牟禮(たかむれ)です。

頭では大丈夫とわかっていても、不安になり
何度も確認してしまうことは、
誰にでもあることと思います。
でもドアの鍵、ガス栓、電気のスイッチを確認することに、
時間や手間がかかりすぎ疲れてしまうほどならば
きついですよね。

でもこの衝動は、意志力で抑えられるような、
ものではありません。
不安が強くなり、
かえって確認行為が
増えてしまうだけです。
こういった症状は、
専門機関での治療が必要なこともあります。

でもこのような状態は、
ちょっとしたコツを実践することで、
かなりラクになることも多いのです。

強いこだわり、とらわれのため不便なまま過ごしている人はかなり多い

ドアの鍵、ガス栓、電気のスイッチが気になって、
何度も確認するという経験は、
程度の差はあれ、誰にでもあるものです。
それだけに過剰にやっていたとしても、
「細かい性格だから」と思い、
生活に不便を感じつつ過ごしている方も、
以外に多いのです。

強すぎるこだわりがもたらす主な行為

確認行為

ドアの鍵、ガス栓、電気のスイッチを過剰に確認。
目で見たり、手で触ったり。
何度確認しても、不安は消えず繰り返してしまいます。

不潔恐怖と洗浄

衣服や周りのものに対し
「汚れた」「細菌がある」と強く思ってしまいます。
帰宅したら衣服の汚れを落とすため、
必ず洗濯をしないと気が済みません。
また部屋の汚れが気になり、
長時間服掃除をしてしまったり、
必ずアルコールで消毒することもあります。

危害を加えてしまったという恐怖

身に覚えがないことでも、「誰かに危害を加えたかもしれない」と不安になり、
テレビや新聞で報道されていないか何度も確認します。
「警察に逮捕されるのでは」と
心配し続けます。
例えば車を運転したあと、
何もなかったはずなのに
「うっかり人を轢いてしまったに違いない」と思い込み、
何度も車の下をチェックしたりします。

儀式行為

「自分の決めた通りにやらないと恐ろしいことが起きる」
という観念が強くなります。
その不安から、決めた通りにやることに、
異常なこだわりを持ってしまいます。

数字へのこだわり

不吉な数字、幸運な数字が、
根拠なく自分の中で決まっています。
そしてその数字に、
非常に強いこだわりを持ってしまいます。

物の配置、対称性などへのこだわり

物の配置に強いこだわりがあります。
少しでもずれると必ず直したくなります。
何からの事情で直せないと、
すごくイライラし
何も手につかなくなってしまうこともあります。

強すぎるこだわりは「観念」と「行為」の2つで成り立っている

その始まりは、頭の中に起きてくる、
根拠のない観念です。

例えば、
「鍵がしまっていないから泥棒が入る」
「ガスの元栓が開いたままなので火事になる」
「手が汚れているのでどんどん細菌が繁殖する」といったものです。
これらの観念は、
必ず強い不安を呼び起こします。

するとその耐え難い不安を何とかしようとして、
自分を安心させるための行為を
せざるを得なくなってしまうのです。

さきほどの観念が起きてきたら、
鍵やガスの元栓を何度も何度も確かめる、
何時間も手を洗い続ける、
といった行為を行います。

この観念と行為は
セットで起きることが多いです。
観念が強い不安を生み出し、
行為で安心させようとするわけです。
この行為がなくならないのは、
一度やっただけでは安心できず
不安なままだからです。

だから何度も何度も、
繰り返してしまいます。
そのため生活の中で費やす時間が
膨大なものとなり、
とても生きづらくなってしまうのです。

強すぎるこだわりへの対処法

観念と行為を区別する

あまりにも強い不安のため混乱し、
自分のことを客観的に眺めることが、
非常に困難です。
まずは頭の中で強い不安を呼び起こす観念と、
行為の区別をするようにしてみましょう。

具体的な行為はまだなく、
強い不安だけがあるときは、
観念が出てきています。
この不安を打ち消す行為が止まらなくなったら、
それは行為です。
最初は難しいと思いますが、
少しずつ区別をしていきましょう。

少しづつでも、
観念と行為の区別がつきはじめると、
自分のことを客観的に眺めることが
できるようなってきます。
すると観念を眺める、という
次のステップに進めるのです。

観念を変えようとせず、ただ眺める

不安を呼び起こす観念が出てくると、
とても辛くなります。
自分でもこの観念はおかしいと、
どこかでわかっているものです。
そのため観念を頭の中で
打ち消そうとしがちです。
しかし私の知る限りこの観念を打ち消そうとして、
成功した話は聞いたことがありません。

逆に、かえって強まってしまうのです。
これこそが、観念の特徴です。
頭の中にある考えではあるけれど、
外部の変えられない出来事と、
同じようにみなす必要があるのです。

例えば線路の側に住んでいたら、
電車の騒音は、
防ぐことはできません。
最初は電車が来たときにイライラして、
何も手につかない状態に、
なる人もいるでしょう。

でも慣れてくると、
電車の騒音があっても、
影響されず過ごせるようになるものです。

強迫観念自体は変わらないけれど、
その内容を真に受ける必要はないのです。
「ああ、またでてきたな」
「勝手に言っていればいい」と
受け流し相手にしないようにすればいいのです。
これだけで観念の影響が
かなり小さくなり、
ラクになる方もおられます。

暴露反応妨害法

このアプローチは、
認知行動療法の中にある技法で、
強すぎるこだわりに対するアプローチとして、
標準的なものです。

観念が起きそうな刺激を与え、
あえて強い不安を喚起させます(暴露)。
いつもならその不安を和らげるための
行為を行うところを、
あえて止めてもらうのです(反応妨害)。
そのため観念に伴う不安はなくならず、
晒され続けます。

やがてその不安に対し免疫ができ、
小さくなっていくため、
行為も治っていく、
という考え方です。

このやり方は、
一定程度の成果は出ています。
しかし、強い不安にさらされるので、
非常に辛く、全員に向くわけではありません。

個人的な意見ですが、
不安に耐えられる心の強化を同時に行なった方が、
負担も小さく、成果もあがりやすいのでは
と思っています。

強すぎるこだわりは役に立っている側面もある

ここまで読んでいただくと、
強すぎるこだわりに関しての理解は、
格段に深まったと思います。
と同時に、
このような理不尽な状態は、
百害あって一利なしと
感じられたかもしれません。

しかし実際は、
この状態が役に立っていることも、
多いのです。
にわかには信じ難いかもしれません。

これほどの苦痛と不便をもたらす、
強すぎるこだわりが何の役にたつのかと、
思われるのも無理はありません。
それは「より大きな苦痛から目を逸らす」という
形で役立っていることがあります。

それは過去における
強烈な喪失体験、苦痛の体験があり、
心の傷になっている場合です。
観念と行為があると、
過去の記憶に蓋をすることができるのです。

万が一過去の記憶が蘇ってしまうと、
はるかに大きな苦痛に見舞われ
心が破綻するほどの。

このような心の中の爆発物が、
強すぎるこだわりという安全装置のおかげで、
暴発せず済んでいるという
側面があるのです。

実際カウンセリングで、
安全を確保しつつ、
過去の苦痛を和らげていくと、
観念が弱くなり、
行為も落ち着いてくることが多いのです。

日常生活への支障が大きい場合は専門の治療機関へ

ここまでお伝えしたことで、
かなりラクになる方もいらっしゃることでしょう。
しかし観念による不安が非常に強く、
行為が止まらないケースも、
当然あります。

そのことで日常生活への支障が大きい場合は、
専門の機関で治療するのがお勧めです。
まずは心理療法によるアプローチ。
必要に応じて薬によるアプローチを、
併用する形が望ましいです。

 

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