カウンセリングを進めていく中で、
過去を掘り下げることが
役立つことがあります。
しかし、それが全てではありません。
何も変わらなかったり
むしろ悪化することもあります。
この見極めが大切です。
過去の掘り下げが役に立つのは
辛い感情を抑圧している場合です。
要は押さえつけ
感じないようにしているわけですね。
それは心に
不調をもたらします。
そして抑圧を解除し
感情に触れることができるようになると
心の自然治癒力が働き
バランスが取れてきます。
統合されていくわけですね。
しかしこのやり方が
心の不安定さからの回復に
全く役に立たなかったり、
逆効果になる場合もあるのです。
それが解離と呼ばれる
心の現象です。
抑圧も解離も、
心が分断されているという意味では
似ています。
どちらも心の苦痛から
自分を守るため分断しています。
ただ分断の
向きが違うのです。
抑圧の場合は
横に割れています。
上が意識で、
下が無意識。
つらすぎるネガティブ感情は
無意識に押し込められている状態です。
だから過去を掘り下げて
無意識に触れると
辛い感情が記憶とともに甦ってきます。
あるいはそこまで踏み込まなくても
共感的に関わることで心が緩み
意識と無意識がつながり始めます。
マイルドだけど、
確実に心の統合を促してくれます。
しかし解離は、
心が縦に割れています。
横の分断ではありません。
意外に思われるかもしれませんが、
意識と無意識はつながっています。
だから抑圧の時と同じように
過去を掘り下げると
辛い過去がとめどなく出てくるのです。
本来はマイルドなはずの共感ですら、
感情が暴走することが多いのです。
もしこのようなことが
カウンセリングで起きてくるならば、
それは心が縦に
分断されていることを意味します。
そしてこの縦の分断は
過去を掘り下げたり共感することで、
解消されません。
むしろ激しい感情のため
縦方向の分断が進んでしまいます。
つまり統合から
ますます遠ざかっていくのです。
解離の場合、
過去の掘り下げや共感とは
全く異なるアプローチを
行う必要があるのです。
しかし、その具体的な方法を
教えているところは
少ないようです。
しかしカウンセリングの現場では
結構解離タイプの方もいらっしゃいます。
すると学んだやり方では
すぐに激しい感情が出てくるという意味で、
最初はうまくいってるように思います。
しかしその感情が癒され、
心が統合されるどころか、
ますます不安定になっていくので、
戸惑ってしまうのです。
カウンセリングを進めていくときは
まずはクライエントさんの
防衛のタイプを把握することが大切。
抑圧なのか解離なのか。
そして抑圧ならば
学んだやり方をレベルアップすれば、
対応できるように
なっていくことでしょう。
しかし解離を起こしてる場合は
過去の掘り下げや共感とは、
全く異なるアプローチを学び
使いこなしていく必要があるのです。
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