こんにちは、心理カウンセラーの高牟禮(たかむれ)です。
インナーチャイルドワークが必要になるのは、
「育て直し」のテーマが浮上した時。
要はクライエントさんのなかにある、
子どもの部分が
心の栄養不足に陥っているんですね。
この栄養不足は、
感情開放、ビリーフの変容といったアプローチだけでは、
不十分です。
ただ大切なのは、
「育て直し」のテーマが出てきたときに、
感情開放やビリーフの変容は
不要という意味ではないということ。
これらのアプローチを組み合わせたほうが、
「育て直し」は進みます。
心の傷が大きい場合は、
感情開放を先に行うのは
とてもいいですね。
心の傷による苦痛が大きい場合は、
「育て直し」より
苦痛の軽減が最優先。
苦痛を軽減することで
インナーチャイルドも楽になります。
ただそれは
心の栄養不足を満たしてはくれません。
ここがインナーチャイルドワークが
必要になってくるところ。
心の栄養不足があると、
根拠のない自信のなさにつながります。
それは成功体験だけでは、
埋められないことが多々あるんですね。
そのため慢性的な心細さ、不安、
満たされなさで苦しむことになります。
この栄養不足が解消していくと、
深い安心感、満たされ感が出てくるんですね。
そのために必要となってくるのが、
育て直し。
そして手段としての
インナーチャイルドワークですね。
ただ育て直しは、
子育てと同じで日々まめに行うことが大切です。
セッションだけで行うと、
ものすごい回数と期間が必要になります。
もちろんセッションでなければ提供できないものも
あります。
バランスがいいのは、
適度な間隔でセッションを受けていただきながら、
ご自身でもやっていただくスタイルですね。
つまりクライエントさんが、
自分だけでも行えるインナーチャイルドワークが、
とても大切になってきます。
ある意味セッションは、
その練習ですね。
しかもこのスタイルだと、
カウンセラー、セラピストに対する、
依存も起きにくいです。
もしカウンセラー、セラピストが、
直接クライエントさんに
働きかける方法だけを進めると、
強い依存が起きる可能性が高いです。
それはリピート率のアップにつながり、
売上的にはいいかもしれません。
しかしこのやり方で、
臨床的に起きていることとしては、
共依存ですね。
文字通り相手を頼る人と、
頼られることに頼る人による
カップリング。
機能不全の
関係性ですね。
「育て直し」ではなく、
固着が起きるパターンですね。
私的にはこのような
共依存を生み出す、
インナーチャイルドワークは、
好きではありません。
インナーチャイルドワークに対して、
嫌悪感を持つ方は、
この共依存パターンを
感覚的にキャッチされておられる方も
多いのではと思いますし、
私もそれに同意します。
ただ共依存による固着ではなく、
着実な「育て直し」につながり、
クライエントさんが満たされていく、
インナーチャイルドワークが本来であり、
その区別が大切と思います。
インナーチャイルドワークに嫌悪感が出てくる
もう一つのパターンは、
「強くなければいけない」という
ビリーフを強く持っている場合。
チャイルドに触れるということは、
「弱くなること」と思い、
拒絶反応が出やすいんですね。
この「強くなければならない」というビリーフは、
その背後で
より深いビリーフが作用しています。
心の奥底で
「私は弱い」とか、
「私は力がない」といった
自分に対する根源的な思い込みがあるんですね。
そう感じることは自分にとって、
何よりつらいことなので、
「強くならなければ」と
懸命に踏ん張るようになってしまったのです。
このままの状態は、
本当は辛いはず。
ここを変容させ
無理に突っ張らなくても、
「私は力がある」と実感できるようになるといいですね。
もしこのテーマに取り組むことに、
クライエントさんの同意が得られれば、
弱くなることへのアレルギー反応を、
コアビリーフにアクセスするための
入り口として活用できます。
その際、クライエントさんのビリーフパターンを
正確に捉えることが役にたちます。
その上で深めていくと、
コアビリーフに
心の栄養が届きやすいのです。
ビリーフパターンをキャッチする能力と、
栄養になる言葉を紡ぐ出す感受性。
この2つがあると、
以前もお伝えした、
コンパクトなインナーチャイルドワークが、
可能になってきます。
通常の会話を続けていくだけで
ビリーフパターンの情報がどんどん集まり、
必要なときに
コアビリーフに一気に迫れるようになるのです。
しかも、インナーチャイルドには、
極力クライエントさん自身に働きかけてもらうので、
依存にはならない。
慣れてきたら日常生活でも、
行えるようになる。
そんなインナーチャイルドワークを、
必要に応じてセッションでは、
行っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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