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「深読みし過ぎる性格なのか、悪く受け取られるのが不安で空回りばかり 疲れるので治したい」は上のプレーヤーで聞くこともできます。
よろしければ音声を聞きながら、最後まで記事を読んでみてください。
こんにちは、心理カウンセラーの高牟禮(たかむれ)です。
相手が自分に何かを言うたび
考えこんでしまうことって、
ありますよね。
例えば褒められても
親切にされても
「この言葉の真意は何か」
「どんな裏があるんだろう」と
考え込んでしまったり。
もちろん、健全な警戒心は、
必要です。
何でも善意と受け取ってしまうと、
痛い思いをすることも
多々あるからです。
しかし、全てを深読みし、
悪意があると思ったり、
悪い印象を持たれたと思い、
焦りから過剰反応するのは、
自分にとってもマイナスです。
あとで独り相撲とわかり、
どっと疲れたりといった空回りが
続くとしたら、
もう少しいい加減になれると
いいかもしれません。
今のままだと気疲れし、
ストレスも溜まるからです。
この深読みをどのように和らげ、
楽になっていくかのヒントをお伝えします。
深読みがやめられない原因がわかるとラクになる
理屈ではそこまで考えなくてもいいと
わかってはいても
どうしてもあれこれと
思いをめぐらしてしまう。
わかっても、
やめられないことって、
ありますよね。
その原因は多くの場合、
強い不安です。
何らかの危険を
感じていることにあります。
それは相手が自分に対し
「悪意を持っている」とか
「嫌っている」
といったものです。
第三者から見れば、
そこまで気にしなくても大丈夫と
思える状況でも、
大ごとと感じてしまうのです。
そして危険を感じるならば、
何とか減らしたい。
安全を確保したいと
必死になるのは必然です。
その努力として、
相手の言葉や、ちょっとした表情、
態度の変化から
危険の兆候を
読み取ろうとしてしまうのです。
それは例えるなら、
国境線が緊張状態にあり、
隣国の動きを察知するため、
超高感度レーダーを
導入するようなものです。
それは戦闘機や戦車を
確実にキャッチしてくれるでしょう。
しかし、感度を上げ過ぎて
危険な存在だけでなく
普通の車や、それこそ鳥までキャッチできるほどに
なってしまったら
役に立ちません。
なぜならレーダーが何かをキャッチしても、
戦闘機や戦車ではないことが、
大半になってしまうからです。
これでは疲れますよね。
このように危険に対する感度は、
ただ、あげればいいというものでは
ありません。
本当の危険が
埋もれてしまうからです。
つまり深読みし過ぎは、
感度を上げ過ぎたレーダーのようなもの。
本当の危険を見極める上で、
マイナスになってしまうのです。
深読みのし過ぎは空回りや機会損失となり、減る方がメリットが大きい
また、とても危険と思うと、
単に考えるだけでは、
おさまらないことがあります。
相手に対し何らかの危険を感じたなら、
当然その危険を
減らしたいですよね。
そのため具体的な行動を
したくなるのです。
例えば、危険を感じる相手を
避けたりします。
距離を取り、
あまり話さないようになるのです。
この避けるという方法は、
簡単にできる
対処行動ですね。
ただ実際は危険がないのに、
過敏になって、
相手との接触を避けてしまうことが
続くならどうでしょうか?
相手は怪訝に思うでしょうし、
交流がなくなることは、
自分にとっての機会損失に
なってしまいます。
あるいは「相手が気分を害したに違いない」
と強く思い込んでしまうと、
その埋め合わせを果てしなく
してしまうこともあります。
本当は怖いのに無理に話しかけ
関わりを持ちたくなります。
機嫌が悪いのは全部自分のせい
と思い込み気分が良くなるように
あれこれ働きかけたりするのです。
しかし相手は、
なぜそこまで気を使ってくれるのか、
さっぱりわからないまま
ということもあるのです。
すると自分の前提である
「相手の気分を害してしまった」に
基づいて努力しているのに
「相手は取り合ってくれない」と思い
怒りや、恨みになることもあるのです。
また気を使ってもらった相手が、
「自分に好意がある」と
勘違いしてしまうこともあるでしょう。
怖いから気を使っているだけの相手から、
アプローチがあったら、
困惑しますよね。
このようなお互いの勘違いによる
やり取りが続き、
混乱が混乱を呼ぶこともあります。
あるいは相手が
強い悪意を持っていると、
最初から思ってしまっていて、
何を言っても心を開かず、
ガードが固いままになってしまうことも
本当はお互いに分かり合えて、
いい交友関係が持てたかもしれないのに
進展することなく
疎遠になってしまったら、
もったいないですよね。
このように深読みし過ぎると、
自分も苦しいし、
相手とのコミュニケーションも
うまくいかなくなるという
不毛な展開になることが多いのです。
深読みのし過ぎをやめる方法
ここまでお伝えしてきた深読みは
単なる考え方のクセではありません。
人に対する不信感や恐怖は、
過去に痛みの体験が関係しています。
だからこの痛みは、
理屈だけでは和らがないのです。
痛みがベースにある
人に対する不信感や恐怖は、
徐々に緩めていく必要があります。
最初に必要なのは、
自分のクセに気づくようになること。
でも同時に、
理屈で説き伏せようとはしないこと。
それは心の奥底からの
反発を招くだけだからです。
人に対して過剰に不安になったり
警戒したらただ気づき、
それを受容できるように
なっていくことが大切ですね。
この受容というのが、
心の痛みに効くのです。
なぜなら受容は肯定だから。
過去に人に裏切られたり、
言われなき言葉を言われたのは、
自分を否定された経験。
その結果、人を疑うことが、
習慣になってしまったのです。
人に対する不信感や警戒心に気づき、
これらを受容するというのは
過去とは真逆の、
肯定される体験です。
それを自分に許すことで
徐々に傷が和らいでいくのです。
過去の傷が和らいでくると、
自分の心のクセを
余裕を保ちつつ眺めることが、
できるようになってきます。
すると自分の心のクセに対して、
自分で違和感が出てくるのです。
自分を苦しめる、
心のクセに対し、
「そんなに警戒しなくてもいいのでは」
という思いが出てくるのです。
専門的には、
自我違和的と言ったりします。
これはとてもいい兆候です。
自分を苦しめる、
過剰な不安、警戒心に対し、
違和感があれば、
自ずと弱まっていくからです。
よりバランスの取れた
捉え方に修正されていきます。
ただ自分の思い込みに気づいた時、
「そんな思い込みを持っているなんて」と
自分を責めてしまう方もおられます。
「人は危険だ」という思い込みに加え、
「決して間違ってはいけない」という思い込みも
併せて持っている場合です。
これはとても多い取り合わせですね。
過去、人前で間違ったとき、
それにつけ込まれ、
ますます窮地に陥る経験を
持つ方が多いからです。
すると自分の中に
何か間違っている要素や、欠点を見つけると、
それをなくしスキのない自分に
早急にならなければいけないと
思うようになります。
自分を守るため、
欠点を責め、
追い詰めてしまうんですね。
これが気づきをベースにしたアプローチで、
起きやすいこと。
何らかの気づきが起きたあと、
受容できればいいのですが、
自分に対する拒否反応が起きることも
あるのです。
しかし自分を否定し批判すると、
過去の傷つきに
塩を塗ることになります。
それは過去に傷ついた時と、
同じ体験。
再び傷つくことで苦しいだけで、
いい方向にはいきません。
自分のクセ、
人を疑い考え過ぎることに気づき、
なおかつそれを受容できたなら、
それ自体過去に傷ついた経験とは、
異なる体験、修正体験になるのです。
ここが分かれ目ですね。
自分の心のクセに気づくことと、
そのクセに対し大らかになり、
受容していく。
この二つを両立することが大切です。
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