こんにちは、心理カウンセラーの高牟禮(たかむれ)です。
カウンセリングの現場では、
息苦しさと 辛い過去の記憶が蘇ること、
同時に起きている方が、
結構お越しになります。
息苦しさも
過去の記憶が蘇ることも、
辛い状態です。
それが同時に起きるというのは、
本当にきつい状態ですね。
そのため、なるべく早く、
そこから抜け出せるように
サポートすることを心がけています。
今回は、息苦しさと過去の記憶が蘇るのが、
同時に起きているときの
抜け出すポイントについて
お伝えします。
Contents
なぜ過去の記憶が蘇ってくるのか
過去の記憶はいつも
甦えってくるわけではありません。
普段は潜伏しています。
苦痛が大きすぎる過去の記憶は、
水に例えるなら、
凍りついてしまいます。
不用意に甦って来ないよう、
冷凍保存されているのです。
自分の心を守る、
本能的な安全装置ですね。
ところが何かの拍子に溶け出し、
急に甦ってくることがあるのです。
自分でも忘れていたようなことが、
昨日のことようのような鮮明さで、
急に甦るのです。
意志の力で
抑え込めないほどの
強いパワーがある記憶です。
だから出てくると自分でも
びっくりしてしまいますし、
一旦甦ると
手に負えなくなり、
なすすべがありません。
そして脳は、心の中のことと現実を、
区別することが
ある意味できません。
過去に危険な目にあったことが
記憶として甦ってくると、
今危険な目に遭っているときと
同じように反応してしまうのです。
強い不安は息苦しさを引き起こしやすい
過去の記憶が蘇ると、
強い不安に襲われやすいです。
そして不安は、
本能的な「戦うか逃げるか反応」を
引き起こします。
原始時代に天敵から生き延びるため、
遺伝的にプログラムされたこの反応。
強い不安を感じたとき、
全力で戦ったり
逃げたりするのに最適の
心と身体の状態に持っていくのです。
火事場の馬鹿力が出やすい
身体の状態になるんですね。
そのため身体に大量の酸素を取り込み、
血液を勢いよく、
全身に巡らせるようになります。
このように過去の記憶が蘇ると、
「戦うか逃げるか反応」が
誘発されますが、
現実に自分を脅かす天敵はいません。
実際に戦ったり、
全力で走り逃げることも
ないのです。
すると身体に取り込んだ、
大量の酸素は運動をしないため、
消費されず
血液中に溜まり続けてしまうのです。
そして血液中の酸素濃度が
ある一線を越えると、
放出されなくなると
知られています。
そのため酸素を必要とする
身体の細胞に届かなくなるのです。
つまり不安になり、
深く速い呼吸を続けていくと、
身体が酸欠になり、
息苦しくなります。
これが一般に過呼吸と、
言われている状態ですね。
過去の記憶が蘇り、息苦しくなったらどうするか
この状態に陥ったら
まずは息苦しさに対処するのが
お勧めです。
なぜなら呼吸を変えるだけで、
確実に息苦しさを
ラクにしていけるからです。
まずは吐くことを
意識的に行いましょう。
吸いたい衝動は抑え気味にするのが、
ポイントです。
なぜなら血液中の酸素を
減らしたいから。
衝動に任せて吸ってしまうと、
血液中の酸素はますます増えてしまい
結果として身体の細胞の
酸欠状態から抜けられません。
呼吸をコントロールすることが、
大切です。
でもこれが、最初は難しく
感じるところでもあります。
なぜなら息が苦しい時は
感覚的には
もっと吸いたくなるからです。
ただ息苦しさは
「もっと吸いたい」
という衝動に従った結果
引き起こされたもの。
この自覚を持つことは難しいですが
息苦しさを解消しようとして
息を吸う。
でも全然楽にならないので
感覚的には
「息が吸えない」となる。
そこで頑張ってもっと吸う。
でも楽にならない。
このサイクルが回り続けることで
息苦しくなるのです。
このサイクルを断ち切るには
息を吐き続け、
過剰に吸わないこと。
すると血液中の酸素濃度が
下がってくれます。
その結果、酸素が身体の細胞に
届くようになり
息苦しさから抜けられるのです。
全体像がわかると、それだけで息苦しさや過去の記憶が蘇ることに対する不安が少し軽くなる
この段階で
過去の記憶が蘇ることに対する
不安によって引き起こされた
二次的反応である息苦しさ
対処できたことになります。
この時点で
多少楽にはなります。
でも過去の記憶が蘇ることの辛さは
そのままです。
今度はこちらに対処することが
必要です。
息苦しさと過去の記憶が蘇ってくるのが
同時に起きると
圧倒されますよね。
何をどうしていけばいいのか
検討もつかないことが
その辛さに輪をかけています。
まずは知識として
起きてくる順番を知ることが
助けになります。
何から手をつければいいか
ある程度イメージが
湧くようになるからです。
それだけでも不安が和らぎ
楽になる方向に
進みやすくなるのです。
過去の記憶が蘇ることへの対処法
一般的なカウンセリングでは、
辛い過去の記憶に対して、
おきた出来事の解釈を変える等、
心理的なアプローチを行います。
しかし、過去の記憶が蘇ることは、
日常生活で起きることが多いですし、
激しいものについては、
心理的なアプローチは向きません。
もっとシンプルで、
すぐに辛さが楽になるものが
必要なのです。
この対処法の考え方は、
とてもシンプルです。
辛い過去に
ハイジャックされているわけですから、
今ここに意識を向ければいいのです。
ただ過去の記憶の苦痛は大きいので、
それに負けない、
強い刺激が必要です。
しかも過去の記憶が蘇ってくるのは
その多くが電車の中、仕事中、食事中といった
日常生活。
人前でも目につかず
とっさにできるものである
必要があります。
私はカウンセリングの現場で、
過去の記憶が蘇ってくることに
困っておられる数多くの方々に
対応してきました。
さまざまな対処法を考案し、
お伝えしてきましたが、
今回も一つご紹介しますね。
非常にシンプルな
方法です。
両足を閉じ、
膝同士を強く押し付ける。
動作としては、
これだけです。
この方法を行うと、
太ももの内側が固くなり、
痛みも感じると思います。
この感覚に集中させるのが
ポイントです。
すると過去の記憶から
意識が逸れ楽になってくるのです。
この方法は人前での緊張にも
効果があります。
仕事でプレゼンをする際、
ひどくあがってしまい、
過呼吸になってしまう方がおられました。
この具体例を公開することは、
ご本人から許可をいただいております。
その方に、
この方法を教えたのです。
そしてある大事な
プレゼンがあったときに
この方法を使ってみたそうです。
椅子に座りながらのプレゼンだったので、
膝を押し付けることには、
問題なくできたそうです。
最も苦手なプレゼンの現場ですから、
いつもなら苦しい状態になる
一番避けたいシチュエーションです。
ところが膝を押し付けながら、
プレゼンしていると
いつもなら頭が真っ白になって、
言葉が出て来なくなるし、
最終的には過呼吸になるところが、
無事にやり切れたのです。
言葉もスムースに出せて
びっくり、とおっしゃっていました。
今までならプレゼンになると
目の前のプレッシャーに加え
過去の失敗した場面が蘇り
その不安から息苦しい状態に陥っていたはずです。
でも膝を強く押し付けることで
過去の記憶による感情から
身体の感覚という今起こっていることに
意識がシフトさせることで、
冷静さを取り戻すことができたのです。
この強い刺激による
今ここへのシフトが
過去の記憶が蘇ってくることに対して、
助けになります。
細かい使いこなしのコツもありますが、
まずは試していただければと思います。
お役に立てば幸いです。
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