息が苦しい ドキドキする

突然心臓がドキドキし、息切れ、めまいが起こり苦しくなる原因と対処法

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こんにちは、心理カウンセラーの高牟禮(たかむれ)です。

何の前触れもなく心臓の動悸が激しくなり、
息苦しさ、めまいが起きるという方は、
身近にも意外に多くおられるものです。
そして、それは電車の中や人混みなど、
閉塞感を感じやすいところで出やすいですね。

こういった症状が起きると、
「自分はどうなってしまうんだろう」と
とても不安になり追い込まれてしまいます。
でもそのメカニズムや対処法は、
実はシンプルなものです。

これらを知るだけで、
不安は小さくなりますし、
今後の見通しも持てるようになりますので、
詳しく解説していきます。

息苦しさやドキドキなどの兆候を知ると対処しやすくなる

息苦しさやドキドキが出やすい人は、
混んでいる電車、人混み、映画館など、
閉塞感のあるところで
めまい、フラつき、体の痺れなども出てきたりします。

こういった状態になり始めると、
「どうなってしまうんだろう」と不安になり始めます。

そして不安が大きなっていき、
不快感もますます強くなりがち。
「なんとかしよう」と思えば思うほど悪循環に入り、
発作まで行ってしまうんですね。

しかし、この不快感のメカニズムや対処法がわかっていれば、
息苦しさ、ドキドキはその兆候であると理解でき、
対処する上での助けになります。

息苦しさのメカニズムを理解すると不安が軽くなる

人はストレスがかかり不安が強くなると、
まず本能的に呼吸が深く速くなります。
これは誰でもなる、
正常な反応です。

この反応は原始時代、危険があるときに対処し、
生き延びる上で必要でした。
当時の危険といえば天敵、
例えばライオンに襲れる、といったものです。

このような状況では
あれこれ考えている時間はありません。
すぐに逃げるか、
戦って撃退するか。
2つに1つです。

自分の体のパワーとスピードを
マックスにする必要があります。
その方が生き延びる確率が
高まりますから。

速く深い呼吸、
激しい動悸が起きてきます。
これらの反応によって、
身体能力がアップするんですね。

例えば思いっきり50メートル走ったとします。
当然動悸が高まり、息も切れます。
体のパワーを最大限使ったので、
酸素を体に補給するため血液循環を良くし、
肺から酸素を取り込むためです。

これと同じ反応が、
不安になり危険を感じると
すぐに起きてくるのです。
体のパワーを
すぐに発揮できるように。

ただ現代は、原始時代とは状況が違います。
不安を感じることがあっても、
命に関わるような状況はさほどありません。

例えば混んでいる電車が途中で止まったり、
凄い人混みの中にいたとしても、
身体的に戦ったり
逃げたりすることは役に立たないのです。

何もしなくても、
死ぬようなことはまずありません。
実際、体を動かす必要は、
まずないですね。

すると原始時代にはなかった現象が
起きてくるのです。
ストレスに伴う不安のため、
呼吸が速く深くなり、
大量の酸素を取り込んでいるのに
消費しない状態になります。

そのため血液中の酸素濃度が、
どんどん上がります。
この濃度がある段階に達すると
体の細胞に酸素が吸収されなくなってしまいます。
ブロックがかかるのです。

すると体の細胞は
酸欠状態になります。
つまり、血液中の酸素濃度が上がれば上がるほど、
体の細胞は酸欠になるという
奇妙な状態になるのです。

そして酸欠が進めば進むほど、
息苦しくなる。
さらに不安が高まり、
呼吸が深く速くなり酸欠が進む。

このような悪循環が
止まらなくなってしまいます。

息苦しさに対して深呼吸、腹式呼吸は逆効果

この息苦しい状態がとても怖いので
積極的に対処法を調べる人も出てきます。
そこで行き着くのが
腹式呼吸だったりします。

この方法はより深い呼吸になるので
酸素を吸い込む量が増えます。
これは逆効果です。
ますます酸欠になってしまうのです。

深呼吸の逆を行うと息苦しさへの対処になりラクになっていく

そして対処法は
呼吸を浅くすることです。
酸素の量を
適正レベルに戻すために。
それには呼吸の速さと
深さのコントロールが必要です

一般的にリラックス時の呼吸の速さは、
1分間に10〜12回とされています。
仮に10回とすると
6秒かけて吸って吐けばいいのです。

呼吸が深くなりすぎないように気をつけながら。
すると不安な時ではなく
リラックスしてるときの呼吸と同じ状態なります。
酸素の量が適正になるので
血液中の酸素濃度が下がっていきます。

すると体の細胞にも
酸素が届くようになります。
この呼吸始めて1分過ぎたあたりから
楽になってきます。

息苦しさが減り
めまいもなくなってきます。
すると余裕と安心感が出てきます。
呼吸を意識的にコントロールしなくても
酸素の量が適正になってきます。

するとますます症状落ち着いてくる。
このようにプラスの循環に切り替わっていくのです。
ただ対処法が簡単すぎて、
「楽になるとは思えない」とおっしゃる方も多いです。

今までの苦しさを思えば
無理もありません。
だからこそメカニズムの理解が
大切になってきます。

自分に対する
説得力が違ってきます。
そして練習すれば、
使いこなせるようになっていくでしょう。

そして1回でも成功すれば、
不安ががくんと減ります。
電車、人混みといった場所に対する苦手意識も、
軽くなり始めます。

息苦しさやドキドキに対処せず、続いてしまうと「またなるのでは」という不安が強くなる

息苦しさやドキドキが続くと
「また起きるかもしれない」という
不安が強くなります。
すると出かけるのが億劫になり始めます。

特に閉鎖空間や
人が多いところを避けるようにもなるのです。
レストラン、エレベーター、
映画館、車、電車、飛行機など。

パニックが起きたときに、
逃げ出せない場所にとどまることが
とても恐ろしいからです。

レストランのような
人が大勢でガヤガヤしていて刺激が強い場所。
しかも、食事と言うのは
ある程度時間がかかるものです。
その間、同じ空間にずっといなければならないというのは
とても重荷なんですね。

エレベーターは、
途中で止まることが心配になります。
特に高層ビルのエレベーターは、
乗る時間も多く、プレッシャーが大きいです。

映画館も同じです。
上映時間が長ければ長いほど、
苦痛は大きいです。

何とか中に入れても、
なるべく出口の近くで、
片方しか座席がないところに座りたくなります。
何かあったら、すぐ外に出られるように。

車と電車は似ています。
車内が混んでいて、
次に止まるまでの距離や時間が長いと、
とても苦しくなります。
飛行機は、
さらにハードルが上がります。

このように外出すると
苦手なものだらけになるので、
行動範囲がどんどん狭まっていきます。

「また発作が起きるかもしれない」という予期不安から
行動範囲が極端に狭まった状態に陥ります

息苦しさやドキドキへの予期不安からくる行動範囲の減少を改善する

この苦手意識は、
家で様子を見ていても回復することはありません。
予期不安が減らないからです。

この予期不安を減らすには、
実際にでかけてみて「大丈夫だった」という
成功体験が必要なのです。

そのため少しずつ、
苦手な場所に出かけていき、
慣らしていく必要があります。

ただ「早く良くなりたい」という焦りから、
高すぎるハードルにチャレンジしがちです。
これは、息苦しさやドキドキを引き起こし、
ますます苦手意識と不安を
強める結果になってしまいます。

対処法をしっかり身につけた上で、
緻密に計画を練って、
進めていくことが大切です。

息苦しさやドキドキを減らし再発を予防する

ここまで息苦しさやドキドキのメカニズムと対処法を
お伝えしてきました。
ただ再発のリスクは、
まだ残っています。

再発を減らすためには、
もともとパニック発作、パニック障害になった原因を
取り除く必要があるのです。

ストレスフルな環境

パニック障害になるひとつの原因は、
環境的なものです。
例えば仕事。
ノルマがきつい、残業が多すぎる、上司からパワハラを受けている
といった負荷がかかりすぎたりすると起こりやすいですね。

プライベートでも、
パートナーとうまくいっていない等の負荷がかかり続けると、
息苦しさやドキドキが起きやすくなります。

これらの環境的なストレスを減らすことは
大切です。
まだ息苦しさやドキドキが出やすい段階でも、
環境的な負担が減れば
回復のスピードアップになります。

すでに回復した人でも、
環境的なストレスを放置すれば、
また調子が悪くなることもあります。
環境のストレスを減らしていく、
取り組みはとても大切です。

自分を追い込みやすい性格

元々の性格が完璧主義的だと、
ちょっとでもうまくいかないと
自分を責め追い込んでしまいます。
これは自分で自分に
ストレスをかける行為ですね。

環境的なストレスがあまりなくても、
極端に自分を追い込む性格だと、
大きな負担がかかります。
当然、息苦しさやドキドキが起きやすくなります。

回復のスピードも落ちますし、
再発リスクもあります。
環境的なストレスもプラスされると、
かなりの確率で再発するでしょうね。

ここを改善するのは、
自分に対する厳しさ、追い込みグセを
和らげていくことです。

そのためには結果だけでなく、
取り組む過程や、小さな成果を
認め労うようにすることです。

ただ自分に行うのは
難しく感じるでしょうね。
そんなときは、他人が自分と
同じことをしたときにどう思うかと、
問いかけてみるのもいいでしょうね。
他人のことは比較的、
客観的に見れますので、
そこを基準に自分を肯定していくことが大切です。

 

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