べき思考

慢性的な落ち込みの原因にもなる「べき思考」という認知の歪みを修正し楽になる

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「慢性的な落ち込みの原因にもなる「べき思考」という認知の歪みを修正し楽になる」上のプレーヤーで聞くこともできます。
よろしければ音声を聞きながら、最後まで記事を読んでみてください。

 

こんにちは、心理カウンセラーの高牟禮(たかむれ)です。

何かを行うとき「◯◯すべき」という思いが
強くなることってありますよね。

それは「ちゃんとしたい」という
向上心の表れとは思います。

でもそれは、自分に過度な負担がかかり
苦しくなりがち。

また同じこだわりを他人に求めると
相手がストレスを感じ、
人間関係がギクシャクしがち。
つまり生きづらくなるのです。
それがわかっていても、
なかなか変えることは難しいもの。

この「べき思考」が緩むと、
柔軟になりますし、
生きていてラクになりますね。
今回は、そのヒントをお伝えします。

「べき思考」がプラスになることも多々ある


自分を追い込みやすい「べき思考」ではありますが、
悪いことばかりではありません。
プラス面も多々あるのです。

例えば仕事において、
妥協を許さない人は
当然「◯◯すべき」という思考パターンを、
持っています。
高い理想を持ち、
ひたすら追求していく姿勢ですね。

このスタンスで取り組むからこそ、
成し遂げられることがあるのは事実です。
高いパフォーマンスを発揮する人で、
「べき思考」のない人は
いないといってもいいでしょう。

最近は「べき思考」と聞くと、
百害あって一利なし。
修正すべきものという風潮がありますが、
それ自体が「べき思考」的です。

時と場合によっては、
「べき思考」がむしろ必要なこともあります。
「べき思考」に対して、
罪悪感を持つ必要はないのです。

「べき思考」は吟味する必要がある


ただこの「べき思考」を手放しでOK、
いうものでもないのは確かです。
もし、いつでもどこでも「べき思考」でいたならば、
とても大変になってしまいます。
なぜなら全てのことに、
一切の妥協を許さない、
ということになってしまうから。

高いパフォーマンスを発揮する人も、
そこまで「べき思考」を
徹底しているわけではありません。
力を入れるところ入れ、
抜くところは抜いているはずです。
そうしないと、
むしろパフォーマンスは、
下がってしまうからです。

だから「べき思考」でいくかどうか、
吟味していく必要があるのです。
吟味することなく、
ひたすら「べき思考」でいくという
スタンスに関しては、
修正していく必要があります。

それはレースと似ています。
より高いパフォーマンスを
追求する競技ではありますが、
いつでもどこでも全力で
走っているわけではありません。
そのような走り方をしたら、
車に負担がかかりすぎ、
リタイヤする可能性が高くなります。

高いパフォーマンスどころか、
最低の結果に終わってしまうのです。
もちろん、優勝できるに
こしたことはありません。
しかし、いつでもどこでも全力で
走り続けることが
最善の策ではないのです。

なぜなら車への負担を
考慮する必要があるからです。
もしタイヤが減りすぎているなら、
パンクしないようにいたわる
必要があります。
エンジンが壊れかかっているなら、
負担のかかりにくい走り方を
する必要があります。

車に何の問題がなかったとしても、
トップで走っていて、
後ろが離れているなら、
少しペースを抑えて、
リタイヤのリスクを抑えた方が、
そのままゴールする確率も上がります。
このように状況に応じて、
最速で走るべきかどうかを吟味し、
臨機応変に切り替えることが、
最高のパフォーマンスにつながるのです。

人間の心や体も車と同じです。
いつでもどこでも「べき思考」に基づいて
全力で頑張るなら、
何らかのトラブルが
起きる確率は高まります。
体調不良になり
心も不安定になってくるのです。
パフォーマンスを追求する場面でも、
「べき思考」を吟味し、
心や体をいたわりつつ
進んでいった方がいいのです。

「べき思考」を緩めるのが以外に難しい理由


ただこの「べき思考」は、
それに気づくだけでは緩めるのは以外に難しいものです。
なぜなら「正しさ」に囚われているからです。
何事も、最善をつくせれば、
いいに決まっています。

しかし常に全力ならば、
先ほどのレースの例と同じで、
あとが持ちません。
しかしそのような、後先を考える、
心の余裕が持てない状態に陥っているのです。
それだけ恐怖が
強いんですね。

少しでも妥協すると、
全てがダメになってしまうような。
だから力を抜くわけにいかない。
後先なんか、
考えている場合じゃない。
少しでも油断したら、
取り返しのつかないことになってしまう。
そんな恐怖があるのです。

でも他の人からすると、
そこまで余裕がなくなり、
「全力でやらなければ」と思いつめているのは、
理解ができないことが多いです。

他の人で、そのような囚われに、
違和感を感じたことも多々あることでしょう。
でも自分のこととなると、
同じように囚われ
後先考えず全力になってしまいがちです。

「べき思考」を緩めることに対する恐怖の正体


なぜこれほどまでに、
全力を緩め力を抜くことが、
恐ろしいのでしょうか?
その大元になるのは、
根拠なき劣等感です。
セルフイメージが低い、
という言い方もできるでしょうね。
このセルフイメージというのは、
事実とは異なることが多いです。
根拠なく自分のことを、
ダメと思い込んでいるのです。

もし本当にダメダメだったら、
ちょっとでも妥協すると
たちまち取り返しのつかない事態に、
陥ってしまうのは確かです。

先ほどのレースの例えなら、
非常に遅いドライバーなので、
実力の120パーセントぐらいを出しても、
周りのペースについていけるかどうかなので、
力を抜くなんてとんでもない。
後先を考えている場合ではない、
といった感じです。

それは思い込みにすぎないのに、
本人にとっては
疑いようのない事実と思えるのです。
それだけ冷静に判断することが困難になるほどの
強い恐怖があるということですね。

「べき思考」を楽に和らげるコツ


この「べき思考」は
理屈で修正しようとしても、
強い恐怖があるので
なかなかうまくいかないことは、
先ほど述べた通りです。

その考え方が正しい、正しくない
という観点で吟味しても、
なかなかうまくいきません。
正論で考えようとしても、
違和感を感じるばかりです。

やればやるほど苦しくなり、
変われない自分に
罪悪感を感じるほどになることも。
本末転倒ですよね。

しかし、少し工夫をすると
より楽に「べき思考」を
吟味できる方法があります。
それは「べき思考が」
自分にとって「損か」「特か」
じっくり考えるのです。
メリット、デメリットで吟味する、
と言ってもいいでしょう。

自分の考え方のクセを
「正しい」「間違っている」で見直すのは、
負担も大きく辛くなるものです。
今までの自分を
否定する作業になるからです。

でも「べき思考」があることが、
自分にとって「損か」「特か」という
吟味を通してであれば、
自己否定せずに
変わっていける流れになるのです。

多くの場合「べき思考」は、
自分にとっても損です。
自分を追い込んで苦しめるわりに、
成果が出ないからです。
物事をグレーゾーン考えることが
できなくなるので、
柔軟性もなくなります。

先ほどのレース例のように、
車やタイヤをいたわりつつ、
速く走るといったことができません。

気持ちが余裕が持てないため、
後先考えずに、
がむしゃらに速く走ろうとします。
その結果、タイヤがパンクしたり、
エンジンが火を吹いてリタイヤに
なるようなものです。

仕事でも自分の体力を考慮せず、
ひたすらがむしゃらに働いたら、
慢性的に過労になることで、
パフォーマンスも落ちますし、
ひどい落ち込みに陥るリスクもどんどん上がってしまいます。
それは長期的に見れば、
デメリットしかありません。
確実に損です。

こういった気づきが持てるようになれば、
自分を否定することなく、
変わっていけます。
今まで頑張ってきた自分を
ねぎらうことも
できるようになるのです。
それだけでも自分にかけていた負担が軽くなり
楽になれます。

すると心にも余裕が持てるようになり、
頑張ったり休んだりと、
柔軟に取り組めるようになります。
その方が長期的に見れば、
パフォーマンスも上がりますし、
不調に陥るリスクも小さいです。

自分の中に「◯◯すべき」という思いが、
強くなってきたことに気づいたら、
その思考パターンに関して
「損か」「特か」で吟味していくのがお勧めです。

 

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