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「ひどい落ち込みが続いている家族に対する接し方、対処法」は上のプレーヤーで聞くこともできます。
よろしければ音声を聞きながら、最後まで記事を読んでみてください。
こんにちは、心理カウンセラーのたかむれです。
家族や友人がひどい落ち込みで苦しんでいる、
という方は多いと思います。
その際、どのように接すればいいのか、
というのは悩みますよね。
今までとうって変わり、
食欲もないし、
好きだったことにも無反応。
特に朝は全く表情もなく、
別人のよう。
すぐに疲れてしまい、
どこかに一緒に出かける時も
すごく気を使う。
ひどい落ち込みとわかっていてもストレスになり、
イライラしたり
当たってしまったりすることも。
あとから後悔し、
でもどうしてわからない状態が続くことで、
「もう限界」と感じている方もおられると思います。
家族や友人がひどい落ち込みに陥ったときに、
どんな状態なのか、
そして何に気をつければいいのかについて書きました。
読んでいただくだけでも、
かなりの負担が減ることでしょう。
Contents
「はげまさない」と聞いたけれど、それ以外に注意すべきことは?
ひどい落ち込みがある人は、
もともと責任感がつよく頑張りすぎる傾向ゆえ
心が不安定になった経緯がありますので、
「はげまさない」ことは大切です。
ただひどく落ち込んでいる方は、
人に迷惑をかけるということに対して、
非常に過敏なところがあります。
ですから気を使いすぎ
腫れ物に触るように関わると
罪悪感を感じ、それはそれで負担になってしまうのです。
その結果「家族に負担をかけている」
「早く安心させなければ」
などと思いつめてしまい、
元気なふりをしたり、
無理に出かけたりすることすらあります。
すると家族としては嬉しいので、
「元気になってよかった」などと
言ってあげたくもなると思います。
しかしそれは、
ますます追い詰めることに、
なりかねません。
ですから急にはりきったり、
明るくなったとしても、
「落ち込みが治ってきた」と
喜び過ぎない方がいいでしょう
回復には波もありますので、
本当に動けるようになってきても、
また動けなくなることも多いです。
当人も家族も上りのエスカレーターのような
回復イメージを持ちがち。
でも実際は、山あり谷ありを繰り返しながら、
徐々に底上げされていくものです。
目先の元気さに
とらわれないことが大切です。
「動けるようになってよかったね」
「でも無理はせず大事に行こうね」
といった暖かくも慎重な対応が助けになります。
調子が悪いと周りの刺激に対して過敏になることがある
落ち込みがひどく調子が悪い時は、
単に気分が落ちるだけでなく、
周りの刺激に対して
過敏になりやすいです。
すると同じ部屋でテレビがついているだけで、
画面の刺激が強く、
まいってしまったりするのです。
テレビから流れてくる声や音楽も、
過剰にイライラしがちです。
だから読書も、
全くできません。
活字が目に入っただけで、
刺激で辛くなり、
拒否反応が出たりするのです。
だから「動けないんだったら、
本でも読んで気分転換したら」といった言葉は、
とても心無いものと感じてしまいます。
そういう意味では、
間合いが難しいところはあります。
「気を使われている」と思い罪悪感になりそうなときは、
普段通りに接したほうがいいですが
過敏さに対して配慮した方がいいときもあるのです。
どちらがいいのか判断に迷う時は、
「テレビつけても大丈夫?」とか、
「ヘッドホンつけてテレビ見た方がいいかな?」とか、
本人に確認することで、
お互いが楽になることもあります。
家族は専門家ではないので
いつも的確に対応できるわけではありません。
比較的落ち着いているときに
過敏になっているときにどう対応するといいか、
話し合っておくとお互い安心です。
気遣いと心配を区別する
暖かく見守り、気遣うことは大切です。
ただどうしても感情移入し、
心配し過ぎることも出てきます。
すると危機感と焦りから
つい当たってしまうこともあるのです。
心の奥底には無理のない形で
元気になってもらいたいという思いがありつつも
余裕のなさがそうさせてしまうんですね。
最終的に言われた方も言った方も
罪悪感でいっぱいになってしまいます。
そんなとき大切なのは
自分に対するねぎらいです。
専門家ではない人間が
関わるわけですから
うまくいかないことがあっても
無理はありません。
自分のことを責めると
心の余裕がなくなり
かえって負担になってしまいます。
自責を和らげるのに
「自分はよくやっている」
といったねぎらいは
助けになります。
加えてある種のクールさは、
必要でしょうね。
要はひどい落ち込みからの回復に関して、
責任感を持ち過ぎないようにするのです。
でもそれは、
気遣いを一切やめる、
ということではありません。
責任感を持ちすぎると、
気遣いは心配に変わり、
自分も辛くなるし、
相手にとってもプレッシャーになるのです。
この線引きが、
とても大切になってきます。
すると相手とほどよい距離感を保ちつつ、
暖かい思いやりは保てるようになるのです。
このバランスを保つことが、
ひどい落ち込みからの回復にとってはプラスです。
ひどい落ち込みがあり、うつ病の可能性があるのに受診を拒む理由
ひどく落ち込みやすい人は、
もともと何かに頼るのが苦手です。
心が不安定になっても、
自力でなんとかしようとすることが多いのです。
そのため「まだまだ大丈夫」とか
「病院にいくほどではない」と自分に言い聞かせ、
拒絶することもあります。でも本当は、本人も不安なのです。
「自分は大丈夫だろうか」という思いも、
当然あります。
ただ「病院にいくほど悪くない」といった否認や
「病院に行ったらおしまいだ」といった恐怖もあるので、
本当は迷っているのです。
最終的には抱え込み、
一人で頑張るというのが、
ひどい落ち込みに陥りやすい人の行動パターンなので、
それが受診を拒むことにつながるのです。
そんなときは、ご本人のやむにやまれぬ、
気持ちを受け止めるところがスタートでしょうね。
ここから徐々に、
回復の道筋としての受診を
勧める流れになります。
心が不安定になっていると、
自分で病院を探し、
ひとりで行くことが大きな負担です。
そんなときは、
代わりに病院の候補をリストアップしたり、
病院についていくのもいいでしょうね。
ひどい落ち込みは、辛さをひとりで抱え込み、
耐えているだけでは、
回復しないまま
時間だけが過ぎていくことになります。
まずは柔らかい関わりで、
きっかけを作っていけるといいと思います。
家族のサポートで生活リズムを整える
ひどい落ち込みから回復させる第一段階は、
とにかく休養すること。
頑張り続け弱ってしまった心と体を
休めることが最優先です。
するとある程度体も動くようになり、
ものも考えられるようになってきます。
この段階に入ってくると、
休んでいるだけでは、
回復が停滞します。
生活にリズムをつけていくことが、
必要になってくるのです。
朝起きる時間を一定にしたり、
適度に運動をしたり。
このような地道な取り組みは、
根気が要ります。
ひとりで取り組むと
集中力が落ち雑になりがち。
そんなとき、家族の協力があると、
助かります。
朝起きる時間を管理してもらったり、
外で散歩するよう、
時々声をかけてもらったり。
このようなサポートがあるだけで
とても安心感を持てますし、
実践しやすいです。
ただ、思い入れを持ちすぎると、
当人にプレッシャーを
かけることになります。
ある種冷静でありながらも、
暖かみがあり
適度な後押しがあるのは、とても助けになるのです。
生活リズムを取り戻し、
ひどい落ち込みから回復する上で、
強力な援護射撃となります。
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