復職

落ち込みがひどくなり休職 復職を成功させたいけれど失敗が怖いです

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「復職を成功させる方法」上のプレーヤーで聞くこともできます。
よろしければ音声を聞きながら、最後まで記事を読んでみてください。

 

落ち込みがひどくて休職し、復職を考えているけれど
不安を感じる方は多いです。
復職というのは、
大きなプレッシャーがかかります。
なぜなら、職場で調子が悪くなり、
限界を越え休職に至ったという経緯があるからです。

そんなところに、
もう一度戻るということに、
不安や恐怖を覚えるのは当然のことです。

「ちゃんと戻れるだろうか」
という不安もありますし、
「また再発するかもしれない」
という恐れもあります。

そこで復職の成功率を高めるポイントと、
再発を防ぐために必要なことを、
この記事ではお伝えします。

復職に伴う焦りと不安がペースを狂わせる

復職に伴う感情で強く出るのは、
何といっても焦りと不安です。

無理な復職をもたらす焦り

「このまま休んでいたら、会社での立場がなくなる」

「みんなに負担をかけっぱなしでいいのだろうか」

「リストラされるかもしれない」

「同期にますます差をつけられてしまう」

このような焦りが強いと、
自分のコンディションと関係なく、
復職の時期を決めようとしがちです。

例えば休職後、夜眠れなくなり
少し外出しただけで
何日も寝込んでしまうような状態なのに、
すぐに復職しようとしたりするのです。

復職までの日数は個人差がありますが、
睡眠が安定し
外出しても大丈夫な体力が戻らないと、
厳しいでしょうね。

復職後しばらくして、
再休職になることもしばしばです。
するとかえって周りにも迷惑がかかるし、
自分の評価も落ちてしまうのです。

冷静ならばそのような判断ができますし、
他人からはそう見えますが、
焦りが強いと無理な復職を
強行しようとすることが多いです。

不安が強いと復職への取り組みも滞りがち

逆に不安が強くても、
復職時期について冷静な判断が難しくなります。
休職直後の不調を脱しても、
活動性を高める取り組みが
おろそかになりがちです。

例えば、本当は外に出て
散歩ができる体力がありながら、
家にこもりっきりになったりするのです。
そして「明日からはやろう」と思いつつも、
また先延ばしになり、
ずるずる月日が経ってしまうのです。

ひどい落ち込みからの回復は、
ある段階からは活動性を上げる取り組みが、
不可欠です。
家にこもっているだけだと、
不完全燃焼になり、
不安な考えばかり頭を駆け巡るように
なりがちです。

するとまた調子が
悪くなってきます。
不調は活動性が足りないことが原因なのに、
「もう少し様子を見よう」と思ってしまい、
悪循環に陥るのです。

復職を成功させるには、体力のやりくりが大切

復職を成功させるには、
復職前、復職後、
どちらも体力のやりくりが大切になってきます。

車に例えるなら、
焦りがあるとガソリン(人間なら体力)がないにもかかわらず、
フルスロットルで車を走らせ続けようとします。
当然、ガス欠になりますよね。
人間ならばうつ病の再発です。

逆に不安が先立つと、
本当は慣らし運転をした方がいいのに、
車を車庫に眠らせているようなものです。
車は適度に乗っている方が、
調子がいいですよね。
まったく動かさない日々が長すぎると、
適度に乗っているより、
車のコンディションも落ちてしまいます。

本当は、体力をやりくりしつつ、
適度な負荷をかけていくのが、
回復も早く復職の後押しとなります。
しかし、体力がないのに
無理をしすぎるか、
ある程度体力が戻っているのに、
何もしないという状態になりやすいのです。

ゼロか100という
極端に走ってしまうのです。
これはやむを得ないところがあって、
ストレスがかかることで
脳のコンディションが落ちるからです。

大脳新皮質の活動が低下し、
感情に支配されやすくなります。
そして戦うか逃げるか反応という
極端なことしかできない
状態になってしまいます。
理屈ではわかっていても、
裏目に出る判断が増えてしまうのです。

復職の成功率を高めるには、
この戦うか逃げるか反応を減らし、
柔軟に対応する力を取り戻す必要があります。
限りある体力をうまくやりくりし
活動性を高めることが
できるようになります。

ひどい落ち込みの再燃を減らし、復職の成功率も高める

体の感覚を感じられるようにする

ひどい落ち込みの再燃を減らし、
復職の成功率を高めるためには、
自分の体力がどのくらい残っているかを
自分で把握できるかどうかにかかっています。
これは車で言うところの
燃料計のようなもの。
燃料計が付いていれば、
ガソリンが残り少なくなるとわかるし、
給油できます。

でも燃料計が付いていないと、
ガソリンの残量がわからず、
そのまま走り続けてガス欠になるか、
ガス欠が怖いので
ガソリンが残っているのに車を止めてしまうでしょうね。
これと同じことが人間に起きると、
体力のやりくりが
できなくなります。

では車における燃料計に該当するのは、
人間においては何でしょうか?
それは体の感覚です。
体の感覚が機能していれば、
疲労感を確実にキャッチすることができます。
疲れていれば休みますし、
まだ大丈夫なら動けます。
つまり体の感覚をキャッチできるなら、
復職のためのリハビリは
成功しやすいし、
再発率も低く抑えられます。

しかし、体の感覚が鈍いままだと、
体力のやりくりができず、
体力がないのに無理をするので
復職の成功率は下がります。
復職できたとしても再休職の確率が高くなります。

ではどうすれば、
体の感覚を高めることができるのでしょうか?
そのやり方の一つは、
私が書いた本「理由のない不安を一瞬で消す方法」(主婦の友社)で解説した
クイック・マインドフルネス・テクニックです。
意識的に握りこぶしをつくり、
その触覚を観察することで、
体の感覚が高まっていきます。

疲労感を早めに察知できるようになりますし、
ストレスフルな感情も、
自力で解消できるようになる方法です。

白黒思考を和らげ、グレーゾーンを許容できるようにする

白黒思考というのは、
文字通り白か黒かという
極端な捉え方しかできない状態のことです。
当然体力のやりくりは
できません。

体力がなくなっても頑張り続けるか、
体力があっても何もしないか、
二つに一つという極端な思考パターンです。
前節で書いた体の感覚を高める方法
(クイック・マインドフルネス・テクニック)を実践すると、
極端さはかなり和らぎます。

しかし、それだけでは
足りないこともあります。
そんなときは心理的なアプローチも、
加える必要があります。

例えば「必ず○○すべき」とか
「ねばならぬ」という思いは、
極端な白黒思考に陥りやすいです。

これらの思考を
「○○できるにこしたことないが、絶対ではない」
といった柔軟性のあるものに
書き換えていくのです。
普段の自分の思考に対する、
観察力をあげると
できるようになっていきます。

このように体の感覚に対する観察力と、
思考に対する観察力。
これらを高めることで、
こだわりが少なくなり、
柔軟な行動ができるようになります。

すると心や体に対して、
無茶振りをしなくなるので、
それだけでうつ病リスクが小さくなり、
予防的です。

この観察力を休職中に身につけることができたら、
ひどい落ち込みの回復は、
グンとスピードアップするでしょう。
このような複合的なアプローチを行うと、
復職の成功率はアップし、
再休職の確率も大幅に減少するはずです。

 

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