カウンセリングを進めていくときに
「質問」という技法があります。
私もよく使いますし、
役に立ちます。
質問することでクライエントさんの背景がリアルにわかり、
理解が深まることが多々あります。
これはカウンセラーにとって、
進めやすくなるというメリットがあります。
もちろんクライエントさんにとっても。
問いかけによって、自分にとって
思いもかけない気づきを得ることがあるからです。
その結果気持ちが楽になったり、
行動の幅が広がったり。
しかし質問は、
いつでも使っていいものではありません。
クライエントさんが
自分の思いや気持ちを言葉にすることで、
心の整理が進んでいるならば、
寄り添う方がいいでしょうね。
寄り添うだけでどんどん楽になり、
自由になっていく展開です。
ある意味、心の自然治癒力が
活発に働いているので、
何もしないほうがうまくいきます。
そんなときやみくもな質問は、
この流れを阻害してしまいます。
心の自然治癒力が
損なわれてしまうのです。
でもカウンセリングが行き詰まっているならば、
質問が役立つことも多いです。
クライエントさんの心の中にあるものを引き出す、
きっかけになるんですね。
ただクライエントさんの混乱が大きく、
コンディション的にも弱っているときは、
質問は向きません。
質問はクライエントさんに
ある程度余力があるときに使うものだから。
質問はいつもの自分を
違う視点から眺めるという働きがあります。
それは心に負担をかけます。
心の余力がないときに質問をされても
何も出てこないし苦しいだけです。
それでも質問が続くと
クライエントさんはカウンセラーに、
責められているように
感じることすらあります。
そんなときは質問より
寄り添う方が適切です。
寄り添うことで
肯定されたと感じ、
心に力が戻ってくるのです。
この状態をしばらく
キープするといいでしょうね。
ただ寄り添いに偏りすぎると、
これはこれで弊害があります。
カウンセリングで
心地よくなることだけを
求めるようになる。
いわゆる依存ですね。
自分に対する客観性や気づきが起きず、
求める必要も感じなくなります。
この状態が続くと、
クライエントさんはある種、
水ぐされのような状態に陥ってしまいます。
そのような状態から抜け出すには、
質問は役立ちます。
現状に対しいい意味で
亀裂を入れる効果があるのです。
ただタイミングが
大切ですね。
質問が早すぎると、
クライエントさんの心に亀裂が入るだけで、
新しい気づきは得られません。
心がダメージを
負ってしまうことすらあります。
でも質問が遅すぎると行き詰まり、
依存が強くなったり、
行き詰まるだけです。
だから質問と寄り添いは
さじ加減が大切です。
カウンセリング中に、
その都度適切に判断し、
使い分けていく必要があります。
とても奥深いテーマと思います。
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