怒り

悲しみと怒りが交互に出てくるとき、それらを受け入れ手放すコツがある

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「悲しみや怒りの対処法」上のプレーヤーで聞くこともできます。
よろしければ音声を聞きながら、最後まで記事を読んでみてください。

 

こんにちは、心理カウンセラーのたかむれです。

悲しみと怒りは、
別の感情ではありますが、
交互に出てくることがあります。
怒っていたと思ったら、
悲しくなってきて、
泣いてしまったり。
その逆もありますね。

悲しみと怒りという2つの感情は、
つながりがっていて
お互いに影響を与えているんですね。

この悲しみと怒り、
そしてどうつながっているか理解することでコツを掴むと
受け入れて手放すことが
負担なくできるようになります。

悲しみと怒りに対する理解を深めラクになる

悲しみを理解してラクになる

悲しみという感情は、
何かを失ったときに起きてきます。
大切な人との別れは、
その代表的なものです。
親、友人、恋人、配偶者、子ども。
自分にとってかけがえのない人との別れは、
とても辛く悲しいものです。

そういったときは、
しっかり悲しみ、泣くことが最良です。
無理に前向きになろうとして、
悲しむべきときに悲しまないと、
かえって尾を引きます。

例えば大切な人と死別した後も、
気丈に振る舞い続けていると、
実は悲しみが抜けていないので、
命日が近づくたびに、
昨日のことのように辛くなる。
そんな状態が10年、20年と続くことも
あるのです。

失ったことで悲しくなるのは、
人だけではありません。
愛着があった物を
失ったときにも起きます。

あるいは社会的地位。
例えば、会社で降格人事があったら、
とても大きなダメージに
なりますよね。

また悲しみは、
すでにあるものを
失った時にだけでなく、
「手に入れたい」と思っていたものが、
「手に入らない」とわかったときにも、
出てきます。

好きな人に告白して、
断られたら悲しいですよね。

あるいは合格を目指し受験したけれど、
落ちてしまっても、
とても悲しいものです。

この悲しみと、
それに伴う失意、落胆は、
味わうことで
少しずつ消えていくものです。

それだけ大切なものを失ったことを受容し
諦めがつくようになるには
時間をかける必要があるのです。

怒りを理解してラクになる

怒りという感情は
現状に対して納得がいかない時に
起きてきます。
それは客観的なものではありません。

自分として「こうあるもの」と思っているのに
その基準に達しないと
怒りが湧いてきます。
この怒りは
元々は建設的なものです。
思わしくない現状を変えていくための
強いモチベーションになるからです。

ただ気をつける必要があるのは、
怒りが強すぎると
建設的に使うことが難しくなり
破壊的な行動になりがちです。
周りを傷つけたり
自分を痛めつけることすらあります。

また現状に納得がいかなくても
個人の努力では
どうにもならないことも
多々あります。

そんなときは
あきらめるしかないと
理屈ではわかります。
ただ、そう簡単にいかないところが
あるのです。
諦めるには時間が必要なことも
多いです。
そして悲しみは
諦めの始まりに起きてくる感情なのです。

怒りと悲しみが交互に出てくる理由

ただ悲しみが続くのは、
とても辛い感情。
その出口は、
悲しみを感じた先にありますが、
その道のりは
一直線ではないのです。

曲がりくねっていますし、
行きつ戻りつも起こります。
失ってしまった悲しみに
堪え難い局面も多々出てきます。
その時に起きやすいのが、
怒りなのです。

悲しみも怒りも、
失ってしまったことを諦めきれないところから、
起きてくる感情です。
そして最初は、
何とかしようとするため
怒りが起こります。

そして、思い通りにならないと
どこかでわかってくると、
悲しみに変わり始めるのです。
ただこの諦めのプロセスは、
行きつ戻りつ。

悲しみから怒りへの
揺り戻しも
頻繁に起きます。
この行きつ戻りつを繰り返しつつ、
徐々に悲しみが深まり
やがて抜けていくのです。

ただ悲しみが堪え難い時、
怒りへの固着が起こります。
悲しんでいるより、
怒っている方がある意味
心の負担が小さいからです。

なぜなら怒りは、
何か、あるいは誰かに対して、
矛先が向くものです。
激しい感情でテンションが上がり、
そのあと放心状態になります。

それは悲しみの、
ある種真綿で締め付けられるような
しんどさで慢性的にジワジワくるよりも、
ある意味ましなのです。

だから悲しみが深まりそうになると、
激しい怒りという
ゆり戻しが起こり続け、
こう着状態になって
しまうこともあります。

このサイクルは一時的には負担が減りますが、
悲しみの熟成発酵を妨げてしまうので、
長期的には苦しみが長引くことに
なってしまいます。
悲しみが消えていく過程での
揺り戻しとしての
激しい怒りへの対応が大切になってきます。

怒りの矛先が自分に向いてしまうことも

ただ難しいのは、
怒りの矛先が自分に向いてしまうとき。
これは悲しみよりも
もっと辛い状態。
激しい罪悪感、
罪責感に苛まれている状態です。
ここに固着してしまうことも、
多いです。

この辛い状態が、
自分にとってふさわしいと、
心の奥底で信じているときに
起こります。
それは自己肯定感の低さと
関係しています。

自己肯定感が高ければ、
大切な何かを失ったとき
「自分が全部悪い」というモードに、
一時的にはなっても、
すぐに抜け出すことができます。

しかし、自己肯定感が低いと、
一旦「自分が悪いモード」に入ると、
中々抜けられなくなるのです。
時々攻撃の矛先が外側に反転し、
激しい怒りになることはあっても、
また矛先が自分に戻る。
自責と怒りを
行ったり来たりし、
抜け出せなくなることも。
するとますます悲しみが熟成発酵し、
解放されるプロセスが停滞し、
苦しみが延々と続くことになるのです。

悲しみの解放を促進するポイント

悲しみの解放がなかなか進まないとき、
停滞させてしまう2つのメカニズムが
働いている可能性が高いです。

ひとつは、
「悲しみ⇄怒り」の
往復運動。

もうひとつは
「怒り(他罰)⇄自責(自罰)」の
往復運動。

このどちらか、
あるいは両方が起こることが、
苦しみが続く原因です。

「悲しみ⇄怒り」 の対処法

「悲しみ⇄怒り」による停滞を抜けるには、
それぞれの感情に気づき、
受け止めていくことが大切です。
悲しみの関しては、
徐々に味わうことに慣れていく
必要があるでしょうね。

そして怒りは、
味わうと飲み込まれてしまい、
ますますエキサイト
してしまうことがあります。
すると気分がハイになり、
ある種の爽快感があります。
そのため怒りによるハイな気分になることが
クセになってしまうんですね。

大声で叫んだり、
ものを叩いたり。
これらの行為を行うと、
とてもスッキリして、
「何もかも解決した」と
おもえる瞬間があります。

ただ怒りの高揚感は
長くは続きません。
必ずトーンダウンしてきます。
すると悲しみが
また戻ってくるのです。
以前より強さを増して。
それが辛いので、
また怒りでテンションがあがる、
というサイクルが回り続けます。

このサイクルを断ち切るポイントは、
怒りグセに気づけるようになること。
この怒りがエスカレートし、
ハイになりたいという衝動に
飲み込まれないように練習していくこと。
それは短期的には、
うつうつとした悲しみに
戻ることになりますが、
それが熟成発酵につながり、
解放を促すのです。

「怒り(他罰)⇄自責(自罰)」の対処法

このサイクルは、
自責をどう止めるかがポイントです。
ここで停滞するのは、
自己肯定感が低いことで、
「自責が当たり前」
「自責で苦しむのが、自分にとって相応しい」
といった思い込みが強いからです。

この思い込みをゆるめることが、
とても大切になってきます。
まずは
「そんなに責める必要はない」
「あなたには価値がある」
といったアファメーションから、
始めていきましょう。

こういったアファメーションで、
自己肯定感の低さと自責が
和らいでくると、
怒りのモードが増えてくることでしょう。
それは根っこにある
悲しみが抜けていくプロセスに
近づいているのです。

自責→怒り(他罰)→悲しみ→解放
という道筋の
第一歩だからです。
イライラも増えることでしょう。

この怒りの段階に入ったら、
次はさきほど解説した
悲しみへのシフトを
意識しながら進めていくことになります。

このように悲しみと怒りが
交互に出てくる現象には、
かなり複雑な絡まりが背後にあります。
この絡まりに気づき、
悲しみが抜けていくには、
今何が必要なのか、
その都度確認していくことが、
助けになるのです。
ご参考になれば幸いです。

 

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