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カウンセリングの効果が出ないときの原因と対処法

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こんにちは、心理カウンセラーの高牟禮(たかむれ)です。

日々カウンセリングを提供していると、
効果が出たり、出なかったり
いろいろです。

「良い」「悪い」抜きにして、
実際のところそうです。

これには色んな要素があり、
それらが絡み合っています。

わかりやすいところでは、
コンディションの良し悪しがありますね。

例えば、元々メンタルが安定していたけれど、
一時的に過度なストレスがかかり、
不調になった場合。

ずっと以前から、
メンタルの不安定さが続いていた場合。

この2つは、
まったく進み方が変わります。

もし前者で、
そのストレス要因が取り除かれているならば、
普通にやっていて、
さくさく回復していきます。

前者でも、
まだストレスのさなかにある場合は、
さくさく、というわけにはいきません。

元々メンタルが不安定かつ、
ストレスフルな状況にいるケースが、
一番時間がかかりやすいです。

ここで陥りがちなパターンが、
早く結果を出すために、
過去を掘り下げるアプローチを選ぶこと。

これは現場的には、
あり得ないです。

なぜなら過去を掘り下げると、
一時的にメンタルに負担がかかるので、
ストレス耐性はむしろ落ちるから。

ただでさえストレスで余裕がないときに、
ストレス耐性が落ちることをやったら、
ますます不調になる可能性が高いです。

それは過酷な仕事をしている最中に、
手術に踏み切るようなものです。

セッションでの対応は、
ストレス耐性を高めるアプローチに、
むしろフォーカスする必要があります。

それは根本的な解決法では
ないかもしれません。

ただ大切なことは、
その方が元々メンタルが安定している方なら、
根本的なところに手を付ける必要が、
そもそもあるのか、
ということです。

ストレスがかかったときの対処法を、
身につけていただくだけで、
あとは問題なく過ごせるようになる可能性が、
高いと私は思います。

過去を掘り下げる、
というアプローチは、
こういったクライエントさんにとって、
大きなお世話になる可能性が高いです。

もちろん、本人が希望するなら、
対応します。

しかし、そこまでやらなくても
ストレス自体がなくなったり、
ストレス耐性があがるなら、
さくさく回復するということも、
わかっておく必要はあると思います。

そして元々メンタルが不安定だったクライエントさんの場合は、
さくさく行くことは
基本ありません。

心の体質改善を進めることが
大切になってきますし、
ストレスがかかりすぎている状況なら、
そちらへの対応をまず行うことも、
不可欠です。

それだけ取り組む項目が、
多いんですね。

ただこれも、
さくさく回復したように、
クライエントさんに思わせることは、
ある程度可能です。

それはセルフヘルプの方法を
自分で使いこなせるように、
もっていくアプローチです。

でもそれは、
単なるリラクセーションといった、
通り一遍のものではありません。

それでは短いカウンセリング回数では、
すぐにぶり返すでしょうね。

私が提供しているのは、
つらい過去の記憶が甦ってきたとき、
自力で解消する方法。

そして根深い思い込みを、
自分でも和らげられる方法です。

打たれ弱さがあるクライエントさんの場合には、
心が丈夫になるセルフケア法も、
お伝えします。

このような、
自分で自分の心の体質改善を図れる方法を、
身につけるための場として、
セッションを進めていくと、
その相乗効果でさくさく回復するように、
見えることもあります。

本当はセッションが終わった直後は、
まだ十分な回復ではないことが、
ほとんどです。

しかし、自力で使いこなせるところまでいっているならば、
一人で進めていっても、
うまくいくようになるのです。

ここも個人差があって、
なかなかセルフヘルプに取り組まない方も、
当然おられます。

それは「良くなりたくない」という
無意識の意図があり、
そのヴァリエーションとして、例えば、
「カウンセラー、セラピストにただ依存していたい」
「抵抗し変わらないことで、自分の力を示したい」
などというものがあったりすることも。

その場合は、
さくさくいきません。

カウンセリングのなかで、
このようなある種の
治療抵抗をかいくぐりながら
セッションを進めていく必要があります。

このパターンが、
セッションを進めていく中で、
一番、経験やスキルが必要となりますね。

このような要素が、
カウンセリングの中で、
どんどん起きてきます。

通り一遍のセラピーの理論や技術を学んだとしても、
なかなかうまく進まないのは、
ある意味当然ですね。

私自身、
このような実情をまるで知らず、
無鉄砲にも、
この仕事を始めた過去があります。

ある意味、カウンセラー、セラピストは、
全員ここからスタートせざるを得ないのかもしれません。

でも探求や学びを続けることで、
まずは的確に対応できるところまで、
きたような気がします。

カウンセリングの進みがよくなることにつながる
今までの経験や知識を
伝えていければと思っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

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